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泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「うえぇえ!? 何で? 何でですか? いえ、言わないでください。考えます、考えますから。でももう一回してもらってもいいですか?」
必要なものを買いに外へ出て、部屋をとった宿に戻ったトランを出迎えたのは、そんな素っ頓狂な言葉だった。
見れば、窓際の席にノエルがエイプリルと向かい合って座っている。
テーブルの上には、扇形に広げられたトランプが一組。一枚を除いて、全てが裏返っている。表向きになっているカードはハートの4だ。
「かまわんが……次でもう五度目だ。いい加減種もわかっただろう」
エイプリルはため息混じりに言う。あまりの暇さにノエルで遊ぼうとして、逆に疲れる目にあった、というところだろうとトランは推測する。
「あ! トランさんお帰りなさい。エイプリルさんがすごいんですよう! 私の選んだカードを、ことごとく当てるんです!」
トランが帰ってきていて、更に自分たちの行動を見守っていることに気付き、ノエルは興奮した口調でまくし立てる。頬は高潮し、軽く握った両の拳を胸の前でぶんぶんと上下させている。
「へえ、それはすごいですね」
どのトリックのマジックだろうか。そんなことを考える。ここまで興奮して驚いてもらえたら、マジシャンとしては至福の一時を過ごせるのだろうが、残念ながらエイプリルはマジシャンではないから、もう既に同じことを何度もやらされて辟易している様子だった。
「どうやったら当てられるんですかねえ? もう、全然わからないんですよ!」
「単純なトリックなんだが」
呆れたようにエイプリルは言う。
「あ、言っちゃダメです、言っちゃダメですからね。絶対当てて見せます」
むう、などといいながらノエルは両手の人差し指をこめかみに当てて見せた。考えている、というジェスチャーかもしれないが、あまり芳しくはなさそうだ。
「後学のために、わたしにも一度見せてもらえますか?」
「……」
本気か、というような目でエイプリルはトランを見上げる。トランは軽く頷いて、それからノエルの隣の席に座った。
エイプリルは小さくため息をついてから、テーブルの上のトランプを掬い上げるようにもつと、鮮やかな手つきでシャッフルし始める。
(大体、シーフ相手にカードをしてるって時点でかなり不利なんですよね)
エイプリルの行動は、いつだって軽やかで素早い。そういう能力を全般的に欠いているトランに言わせれば、もはや作りが違う、としか言いようがない。
まあ、実際自分の体は作り物なのだが。
ある程度カードをシャッフルした後、エイプリルは手の中でカードを素早く扇形にすると、ノエルに突き出した。
「選べ」
カードは机に平行に出されていて、もちろん裏向きになっている。ノエルがカードを引いた時点では、誰もそのカードの数もスートも分からない。
「ひきますよ~」
緊張感のない声とともに、ノエルはカードを一枚引き抜いた。
「覚えろ」
マジシャンとしては愛想のない台詞に押されて、ノエルはカードを確認している。
「トランさん、スペードです、スペードの4ですよ」
小声でノエルが告げる。
彼女は引き抜いたカードに熱中している。
「覚えたら好きなところへ戻せ」
エイプリルは、山になったままのカードをつかんだまま、ノエルに突き出した。
「今度こそ種を言い当てますよー」
言いながら、カードを山に返す。
「では、ノエルの選んだカードは表向きに出る」
言うと、素早くカードをテーブルの上に扇形に広げた。それはちょうど、帰って来た直後と同じように、一枚だけ、スペードの4だけが見えるようになって、あとは裏返って広げられた。
「えええええ!? 何でですか? おかしいな、ちゃんと見てたはずなのに」
ノエルはテーブルの上のカードを見てしきりに不思議がる。全然見てなかった、と突っ込みたい気分をぐっとこらえて、トランはエイプリルを見る。
「マジシャンとしては光栄でしょう、ここまで驚いてもらえるなんて」
「こんな単純な手に何度も引っかかるのかと思うと先が思いやられる」
苦笑するトランに、エイプリルが苦い顔をする。
「え? トランさんは種が分かったんですか!?」
「わかりましたよ」
「えええええ!? おかしいです、おかしいですよ? 一緒に見てましたよ? あ、最初から種をご存知だったんですか?」
「いえ、初めて見ます」
「おかしいです、何でだろう」
そこへ別の用件で外に出ていたクリスが戻ってきた。
「何やってるんだ?」
「手品でノエルをからかっているところだ」
「え? 私からかわれているんですか?」
クリスの質問に答えたエイプリルに、ノエルが軽くショックを受けた顔をする。しかしすぐに立ち直ると、クリスを見上げた。
「クリスさんも一緒に見せてもらってください。すごく不思議なんですよ! エイプリルさん、おねがいします!」
「……俺がまたやるのか」
疲れたような声と舌打ちの後、それでもエイプリルは再び同じマジックを披露する。
「また当てられました」
「なぜ分からないんだ……」
暗い声のノエル、頭を抱えるエイプリル、それを見て苦笑するトラン。
「クリスさんは分かりましたか!?」
「残念ながら、これの種は知ってます」
クリスの返答に、ノエルは渋い顔をして見せた。その表情を完全に無視するようにエイプリルが立ち上がる。
「全員そろったんなら、飯にしよう」
「そうですね、おなかすきましたね」
「じゃあ、荷物だけ部屋に置いてくる」
次々立ち上がる仲間たちに、ノエルが悲鳴めいた声をあげる。
「ええええ!? 私一人わからないままですか!?」
「あとで種を教えましょうか?」
「それじゃ意味ないですよトランさん!?」
「何度も見たんでしょう? でしたら、食事をしながら種を考えてもいいんじゃないですか?」
「なるほどぉ、そうですね。わかりました、そうします」


数時間後。

「なあ、ノエル。種を教えてやるからそろそろ寝かせてくれ。むしろ寝てくれ」
「もう一回! 最後の一回で! エイプリルさん!」



■と、言うわけで、アリアンロッド・リプレイ・ルージュの方々に初挑戦してみました。
前の?
あー、アレは練習です。
カテゴリも違うんですよ(苦笑)

とはいえ、これも練習作に近いですね。
リプレイ自体を貸したままなので、いまいち……。たとえば、クリスの一人称が思い出せず、彼は意図的に一人称をしゃべってないです(苦笑)
それから、ノエルはもうちょっとだけしっかりしてるよね、とか。

まだまだですねー。

精進します。
広い心で見なかったことにしていただければ。

ちなみに、エイプリルがやった手品は、本当に単純な種の手品です。
本当にあるネタではありますが。(やったことはございませんが)

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村を取り囲むオレンジの炎を見たとき、不思議と恐怖は無かった。
ただ、フラットな心でそれを見つめる。
きっと上手く村人を脱出させてくれているはず。
きっと逃げ延びてくれるはず。

この体はつぎはぎの、寄せ集めて作られたまがい物。
この魂は、吹き込まれただけの、作り物。
けど、
この気持ちはわたしのもの。
わたし固有のもの。

感情というモノを、教えてくれた人がここにはいる。
日々平穏に暮らしていただけの、善良な人たちがここには居る。


利用するために近づいた、けれどなにか特別な人がここには居る。


守らなければ。


護らなければ。


この気持ちは、作られていない、わたしだけのもの。


恐怖は無い。
ただ、誇りだけがある。



 

■初挑戦アリアンロッドルージュ。
……ごめんなさい、精進します。
でもリプレイを友達に貸してしまいました。

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