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『三ヵ月間の騎士資格剥奪』
それが下された判断だった。
彼を「邪悪感知」で「邪悪」と判断したことも、「啓示」によって思い返したことも、「呪いの除去」を独断で断行したことも、すべて己の信念と信心から行ったこと。
後悔は、無い。
無い、はずだ。
しかし、このもやもやした気持ちはなんだろう。
こういうのは初めてだ。
神殿内に戻るため、足早に歩く。
気を抜くとため息がでそうだから、気を張り詰める。
きっと今わたしは怒ったような顔をしているだろう。
普段から同僚に「もう少し笑えば?」などと言われるほどだ、今は輪をかけて、不機嫌を世界にばらまいているようなものだろう。
まだまだ、修業が足りない。
神殿への最後の角をまがったときだった。
数人で遊んでいたらしい子どもが、わたしにぶつかりそうになる。
「わ!」
子どもは声を上げて無理矢理止まろうとして、結局失敗して転んだ。
「痛……」
膝を擦り剥いて、少し泣きそうな声をあげる。
「大丈夫?」
しゃがんで、子どもの膝をみる。やはり擦り剥いていた。
ためらわず、「治癒」をつかう。
いつもどおり、奇跡はおこった。擦り傷は跡形もなくなる。
「ありがとう、お姉さん」
「これからは気を付けなさい」
手を振る子どもに軽く手を振りかえし、わたしは大きく息を吐いた。
認めよう。
わたしは、ほっとしたのだ。
神聖魔法が使えたことに。
神殿から見捨てられ、わたしは不安だったのだろう。
神殿での出世が、信仰だとは思っていない。
事実、口にしたことはないが、同僚に神聖魔法が使えない者がいるのが本当は疑問だったのだ。
まだ、神聖魔法が使える。
わたしは、ファリス神に見捨てられてはいない。
大丈夫。
わたしはわたしの信じる道を行こう。
■クレア姉ちゃん大好きー!
というわけで、「冒険者たち、海へ」のちょっと前くらいのお話として書いてみたけど、こりゃただのメモだな。
もうちっと考えてから書きゃよかった。
失敗失敗。