泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「この壁、何とかなりませんかね。精霊魔法では壊せないなら、ヒース兄さんの攻撃的な魔法だとか、何なら私がこう、がーんと」
イリーナが腕をぶんぶんと振ってみせる。ヒースは呆れたような視線をイリーナに向けつつ、大袈裟にため息をついて見せた。
「俺サマが魔法をぶっ放して、壁どころか家まで壊れたらどうするんだ。弁償するのか。無理だ」
「きっぱり言い放ちましたね」
今度はイリーナが呆れた顔をする。
「アレは? ほら、ウィスプにシェイドをぶつけたら消滅するみたいな感じで」
フィリスが身振り手振りを加えてスイフリーに質問する。
「それがなあ」
苦々しい顔でスイフリーは新たに出来た壁を見上げる。
「この壁は少なくとも、ノリスが作ったんではないだろう。ノームちゃんの力を感じない。……というか、そういう状況ならとうにやっている、というか」
「それもそっか」
フィリスもつられて壁を見上げる。
「そういえばあんた、家に入ったときから何か変って言ってたしね」
「今だに変な気分だぞ。建物の中だからシルフちゃんの力をほとんど感じないのとか当たり前といえば当たり前なのだが……」
「あ」
マウナは辺りを見てから声を挙げる。
「どうしたマウナ。何かまた変な事が起こったのか?」
ヒースが辺りを警戒する。
「そうじゃなくて。……このお屋敷全然汚れてない。ベッドとか普通に使えたし、ほこりも落ちてない。ブラウニーもいないのに」
「ブラウニーって、あの、本棚とか倒してくる?」
「アレは特殊な事情があったでしょ。普通はそういうのじゃないの」
イリーナにマウナはブラウニーの説明を始める。時々イリーナは良く分からないという顔をしたが、何とか理解を示し始める。
「結局、どういう事になったにゅ?」
パラサがスイフリーを見上げると、彼は大きく息を吐いてから肩をすくめて見せた。
「事態が悪い方向に進んだのだけは間違いなさそうだ。まず第一に、ここが普通の家でないことが判明した」
「それは何となくちょっと前から判明してた気がするにゅ」
「ここがカラクリ屋敷だと仮定して、もしカラクリを動かしている主が居るとするならば……我々に明確な敵意をいだいているだろうな」
「あう」
「少なくとも、閉じ込めた理由や分断した理由があるんだろう」
「もし、主が居なかったら?」
「アーチー希望のファンタジーなのではないか?」
「だから、こういうのはホラーというのだ」
「分かっている事を整理しよう。認識は共通していたほうがいいし、イリーナが意味不明な顔をしてる」
ヒースの提案に、今まであったことを整理してみる事にした。
1 起きているものだけが感じた地震のようなものがあった。
2 屋敷を左右二分する壁が出来る。コレは入り口や窓をふさいだ。
3 向こうとの連絡は不可。シースルーで向こうを見たが姿は確認できず。
4 遊興室、応接室ともども、屋敷の来歴を示すものはなし。
5 精霊の働きが妙。ただしコレは精霊使いしか分からない感覚。
6 もし、何者かが屋敷のカラクリを動かしたのだとしたら、相手は自分たちに敵意を持っている。殺意は不明。
「結局、あんまり何もわかっていないってのが分かったわ」
フィリスが大きくため息をつく。
「戦力の分断は、手順としては正しいだろう。まあ、そもそも14人も居たら乱戦で戦いにくい事この上ないわけだが。コレが最終的な分断ではないと思ったほうがいいな」
「そうだな。全員ばらばらにして各個撃破だろう、最終的には」
「邪悪には負けません!」
「ファイアウェポンもファナティシズムもなくなるぞ、一人だと」
「……」
「一人で戦う事になると、まあ、長時間生き延びるのはアーチーだろうな。それでも回復が無いからジリ貧なわけだが」
「透明になったあんたじゃないの?」
「範囲魔法に巻き込まれたらわたしの場合イチコロだ」
「オレも攻撃しても普通だとダメージあんまりあたえらんないしー」
ここで全員が大きくため息をつく。
「とりあえず、努力目標は団体行動を貫く、か?」
「だな。……さて、主がいるとしたら、どこかに隠れてるんだろう。探すか」
「ねーちゃんが居ればもっとやる気もでるのにぃー」
「なんでお前の泥棒家業は黙認で、わたしのちょっとした発言は睨まれるのだ」
「はとこの発言は実行したら邪悪そのものな話が多いからっしょ」
「お前のは他愛ない子どもの悪戯レベルで考えられてるかもしれんぞ、はとこの子よ」
にらみ合う妖精二人に、フィリスから鋭い声が飛ぶ。
「遊んでないでさっさと探しなさい」
■気付いたら、もう31回をアップですか。
着実に本放送に近づいてるじゃないですか。まあ、本編の進み具合が芳しくないのが悪いのですが。
前回に引き続き、ルールの細かいところはすーっとスルーしていただけるとありがたいです。
雰囲気を楽しむものだと思っていただければ。
イリーナが腕をぶんぶんと振ってみせる。ヒースは呆れたような視線をイリーナに向けつつ、大袈裟にため息をついて見せた。
「俺サマが魔法をぶっ放して、壁どころか家まで壊れたらどうするんだ。弁償するのか。無理だ」
「きっぱり言い放ちましたね」
今度はイリーナが呆れた顔をする。
「アレは? ほら、ウィスプにシェイドをぶつけたら消滅するみたいな感じで」
フィリスが身振り手振りを加えてスイフリーに質問する。
「それがなあ」
苦々しい顔でスイフリーは新たに出来た壁を見上げる。
「この壁は少なくとも、ノリスが作ったんではないだろう。ノームちゃんの力を感じない。……というか、そういう状況ならとうにやっている、というか」
「それもそっか」
フィリスもつられて壁を見上げる。
「そういえばあんた、家に入ったときから何か変って言ってたしね」
「今だに変な気分だぞ。建物の中だからシルフちゃんの力をほとんど感じないのとか当たり前といえば当たり前なのだが……」
「あ」
マウナは辺りを見てから声を挙げる。
「どうしたマウナ。何かまた変な事が起こったのか?」
ヒースが辺りを警戒する。
「そうじゃなくて。……このお屋敷全然汚れてない。ベッドとか普通に使えたし、ほこりも落ちてない。ブラウニーもいないのに」
「ブラウニーって、あの、本棚とか倒してくる?」
「アレは特殊な事情があったでしょ。普通はそういうのじゃないの」
イリーナにマウナはブラウニーの説明を始める。時々イリーナは良く分からないという顔をしたが、何とか理解を示し始める。
「結局、どういう事になったにゅ?」
パラサがスイフリーを見上げると、彼は大きく息を吐いてから肩をすくめて見せた。
「事態が悪い方向に進んだのだけは間違いなさそうだ。まず第一に、ここが普通の家でないことが判明した」
「それは何となくちょっと前から判明してた気がするにゅ」
「ここがカラクリ屋敷だと仮定して、もしカラクリを動かしている主が居るとするならば……我々に明確な敵意をいだいているだろうな」
「あう」
「少なくとも、閉じ込めた理由や分断した理由があるんだろう」
「もし、主が居なかったら?」
「アーチー希望のファンタジーなのではないか?」
「だから、こういうのはホラーというのだ」
「分かっている事を整理しよう。認識は共通していたほうがいいし、イリーナが意味不明な顔をしてる」
ヒースの提案に、今まであったことを整理してみる事にした。
1 起きているものだけが感じた地震のようなものがあった。
2 屋敷を左右二分する壁が出来る。コレは入り口や窓をふさいだ。
3 向こうとの連絡は不可。シースルーで向こうを見たが姿は確認できず。
4 遊興室、応接室ともども、屋敷の来歴を示すものはなし。
5 精霊の働きが妙。ただしコレは精霊使いしか分からない感覚。
6 もし、何者かが屋敷のカラクリを動かしたのだとしたら、相手は自分たちに敵意を持っている。殺意は不明。
「結局、あんまり何もわかっていないってのが分かったわ」
フィリスが大きくため息をつく。
「戦力の分断は、手順としては正しいだろう。まあ、そもそも14人も居たら乱戦で戦いにくい事この上ないわけだが。コレが最終的な分断ではないと思ったほうがいいな」
「そうだな。全員ばらばらにして各個撃破だろう、最終的には」
「邪悪には負けません!」
「ファイアウェポンもファナティシズムもなくなるぞ、一人だと」
「……」
「一人で戦う事になると、まあ、長時間生き延びるのはアーチーだろうな。それでも回復が無いからジリ貧なわけだが」
「透明になったあんたじゃないの?」
「範囲魔法に巻き込まれたらわたしの場合イチコロだ」
「オレも攻撃しても普通だとダメージあんまりあたえらんないしー」
ここで全員が大きくため息をつく。
「とりあえず、努力目標は団体行動を貫く、か?」
「だな。……さて、主がいるとしたら、どこかに隠れてるんだろう。探すか」
「ねーちゃんが居ればもっとやる気もでるのにぃー」
「なんでお前の泥棒家業は黙認で、わたしのちょっとした発言は睨まれるのだ」
「はとこの発言は実行したら邪悪そのものな話が多いからっしょ」
「お前のは他愛ない子どもの悪戯レベルで考えられてるかもしれんぞ、はとこの子よ」
にらみ合う妖精二人に、フィリスから鋭い声が飛ぶ。
「遊んでないでさっさと探しなさい」
■気付いたら、もう31回をアップですか。
着実に本放送に近づいてるじゃないですか。まあ、本編の進み具合が芳しくないのが悪いのですが。
前回に引き続き、ルールの細かいところはすーっとスルーしていただけるとありがたいです。
雰囲気を楽しむものだと思っていただければ。
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