泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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一方。
多少時間は戻って中央に壁がそそり立った後の右側一行も、途方にくれていた。
「何、この壁。いつできたの?」
レジィナは灰色の石壁をつつきながら首をかしげる。
「わかんないんだよねー。アーチーと見張りをしてて、地震があって、手分けして奥を見て帰ってきたら、あったんだもん」
「クソガキにしてはまあまあ順序だてて説明できたほうかの……」
「マウナさーん! マウナさーん! 無事ですかー!」
エキューは壁に向かって叫んでみたが、返事は無かった。
「一体何事でしょうかな。新しいサーガができそうな事件でしょうか」
「できたとしてもホラーだったりして」
グイズノーが困ったような声を出す。
「しかし、どうしましょうか。ウチの二大権謀謀略な方々は壁の向こうです。わたくし知識をためるのは好きなんですけど、色々考えて策を練るのは好みじゃないんですよね。それにソーサラーが二人ともあちらに行ってしまったのも痛手です」
「イリーナさんは無事でしょうか」
クレアも壁を見つめてため息をつく。
「イリーナは丈夫だからよっぽどのことがなきゃ大丈夫だよ」
「そうですか。それなら良いのですけれど」
「仲間の心配はしないの?」
「……大丈夫でしょう。彼等が危機に陥る姿が想像できません。特にスイフリーさんとか」
「この場合、信頼なのかどうかちょっと微妙な感じだよね」
「実はそのスイフリーが一番ささやかな生命力なわけですが」
ノリスとレジィナ、グイズノーの会話を聞いているのか居ないのか、クレアはガルガドに向き直る。
「どうしましょうか」
「各自の部屋には異常がなかったからの、何かあるとしても1階だろう」
そこまで言うと、ガルガドはため息混じりにノリスを見る。
「ただ、盗賊がクソガキしかおらん……。せめて……いや、言うまい……」
とうのノリスは新しくできた壁を暫くぺしぺしと叩いていたが、やがて「あ、ノームつれてるんだった」と、思い至って振り返る。
「トンネルで向こうに行こうか。何があったかわからないけど、合流したほうがいいよね?」
「そっか、ノーム! 僕サラマンダーしかつれてなかったからすっかり忘れてた!」
精霊使いたちがもりあがり、やがてトンネルが唱えられた。
「で?」
「なんかノームさんご機嫌斜め」
全く変化の無い壁の前で、ガルガドが冷たい瞳をノリスに向ける。ノリスも不思議そうな顔で壁を見つめつつ答えた。
「ちゃんと唱えたんだけどなあ……。何か上手く働かないっていうか……」
「屋敷に入ったときにスイフリーが『気分が悪い』といっていましたよね。あれが関係あるんでしょうかね」
グイズノーは暫くコンコンと軽く壁を叩き、首をかしげる。見た感じは普通の壁なのだが、何か自分が知らない物質なのだろうか。
「あ、前に魔法テロリストが持ってた精霊を封じ込める石つきの指輪があったじゃない? あんな感じの石なのかも」
レジィナも壁を隣で叩きつつグイズノーに言う。グイズノーは首を横に振った。
「あれとは違う気がします。材質が違いますし。……参りましたね」
「ともかく、下に行ってみよう。もしかしたら分かれてない場所があるかもしれないし。1階の窓からなら外にも出られるだろうから、外回りで合流してもいいよ。……マウナさんが心配だよ」
エキューの提案が受け入れられ、一行は1階に降りる。階段は相変わらず灰色の石壁で半分に分断されていて、不気味な雰囲気である。1階のエントランスも丁度半分にされており、ご丁寧にも壁は入り口の扉までもをふさいでいた。
「先回りされてる感じだよね」
ノリスが流石に肩をすくめる。鍵穴がなければ、盗賊としての腕前を見せることもできない。
「えっと、こっち側には何があるんだっけ? 大広間と台所の入り口?」
レジィナがあたりを見ながら尋ねる。
「確かそうでした」
クレアが頷く。他にめぼしいものなど何も無かったように思う。左側なら、書斎などもあったが、屋敷は全体的にがらんとしていて何も手がかりになりそうなものは無かったように思う。
「留守番電画も何も言わなかったよね」
確認のために全員で絵に近づく。女性の絵が描かれているだけの絵画は、見たところ変化はない。
「向こうなんだから、メッセージの残しようが無いよ」
レジィナが言うと、その声に反応したかのように絵が口を開く。
生贄を認証しました。
屋敷をロックいたします。
解除方法は所定の方法で。
「コレはなんというか……ホラー確定ですか?」
「そして誰も居なくなったー」
グイズノーとノリスがほとんど同時に口を開く。
「居なくなってたまるかい」
ガルガドはノリスの後頭部をべちん、と叩きため息をつく。エキューは壁をバンバンたたきながらマウナの名前を呼び続けた。
「生贄……邪悪です」
「邪悪以前に、自分たちがその生贄って分かってます?」
呟くクレアにグイズノーはため息をつき、それから肩をすくめて見せた。
「わたくし、まだまだノーマルライフをエンジョイしたいので、どうにかしてこの屋敷から脱出いたしましょう。左側の皆さんは自分たちが生贄であるとは知らないでしょうが、あちらはあちらで脱出する気持ちにはなってるでしょうから、我々は我々の無事を祈りましょう」
「みんなの無事を祈るんだよ」
レジィナが言うと、拳を握り締めた。
■本放送のほうでは現在種明かし中です。
現在49話。
……いつおわるんでしょうね。
長いほうがいいのかなあ? すぱっと終わったほうがいいのかな?
多少時間は戻って中央に壁がそそり立った後の右側一行も、途方にくれていた。
「何、この壁。いつできたの?」
レジィナは灰色の石壁をつつきながら首をかしげる。
「わかんないんだよねー。アーチーと見張りをしてて、地震があって、手分けして奥を見て帰ってきたら、あったんだもん」
「クソガキにしてはまあまあ順序だてて説明できたほうかの……」
「マウナさーん! マウナさーん! 無事ですかー!」
エキューは壁に向かって叫んでみたが、返事は無かった。
「一体何事でしょうかな。新しいサーガができそうな事件でしょうか」
「できたとしてもホラーだったりして」
グイズノーが困ったような声を出す。
「しかし、どうしましょうか。ウチの二大権謀謀略な方々は壁の向こうです。わたくし知識をためるのは好きなんですけど、色々考えて策を練るのは好みじゃないんですよね。それにソーサラーが二人ともあちらに行ってしまったのも痛手です」
「イリーナさんは無事でしょうか」
クレアも壁を見つめてため息をつく。
「イリーナは丈夫だからよっぽどのことがなきゃ大丈夫だよ」
「そうですか。それなら良いのですけれど」
「仲間の心配はしないの?」
「……大丈夫でしょう。彼等が危機に陥る姿が想像できません。特にスイフリーさんとか」
「この場合、信頼なのかどうかちょっと微妙な感じだよね」
「実はそのスイフリーが一番ささやかな生命力なわけですが」
ノリスとレジィナ、グイズノーの会話を聞いているのか居ないのか、クレアはガルガドに向き直る。
「どうしましょうか」
「各自の部屋には異常がなかったからの、何かあるとしても1階だろう」
そこまで言うと、ガルガドはため息混じりにノリスを見る。
「ただ、盗賊がクソガキしかおらん……。せめて……いや、言うまい……」
とうのノリスは新しくできた壁を暫くぺしぺしと叩いていたが、やがて「あ、ノームつれてるんだった」と、思い至って振り返る。
「トンネルで向こうに行こうか。何があったかわからないけど、合流したほうがいいよね?」
「そっか、ノーム! 僕サラマンダーしかつれてなかったからすっかり忘れてた!」
精霊使いたちがもりあがり、やがてトンネルが唱えられた。
「で?」
「なんかノームさんご機嫌斜め」
全く変化の無い壁の前で、ガルガドが冷たい瞳をノリスに向ける。ノリスも不思議そうな顔で壁を見つめつつ答えた。
「ちゃんと唱えたんだけどなあ……。何か上手く働かないっていうか……」
「屋敷に入ったときにスイフリーが『気分が悪い』といっていましたよね。あれが関係あるんでしょうかね」
グイズノーは暫くコンコンと軽く壁を叩き、首をかしげる。見た感じは普通の壁なのだが、何か自分が知らない物質なのだろうか。
「あ、前に魔法テロリストが持ってた精霊を封じ込める石つきの指輪があったじゃない? あんな感じの石なのかも」
レジィナも壁を隣で叩きつつグイズノーに言う。グイズノーは首を横に振った。
「あれとは違う気がします。材質が違いますし。……参りましたね」
「ともかく、下に行ってみよう。もしかしたら分かれてない場所があるかもしれないし。1階の窓からなら外にも出られるだろうから、外回りで合流してもいいよ。……マウナさんが心配だよ」
エキューの提案が受け入れられ、一行は1階に降りる。階段は相変わらず灰色の石壁で半分に分断されていて、不気味な雰囲気である。1階のエントランスも丁度半分にされており、ご丁寧にも壁は入り口の扉までもをふさいでいた。
「先回りされてる感じだよね」
ノリスが流石に肩をすくめる。鍵穴がなければ、盗賊としての腕前を見せることもできない。
「えっと、こっち側には何があるんだっけ? 大広間と台所の入り口?」
レジィナがあたりを見ながら尋ねる。
「確かそうでした」
クレアが頷く。他にめぼしいものなど何も無かったように思う。左側なら、書斎などもあったが、屋敷は全体的にがらんとしていて何も手がかりになりそうなものは無かったように思う。
「留守番電画も何も言わなかったよね」
確認のために全員で絵に近づく。女性の絵が描かれているだけの絵画は、見たところ変化はない。
「向こうなんだから、メッセージの残しようが無いよ」
レジィナが言うと、その声に反応したかのように絵が口を開く。
生贄を認証しました。
屋敷をロックいたします。
解除方法は所定の方法で。
「コレはなんというか……ホラー確定ですか?」
「そして誰も居なくなったー」
グイズノーとノリスがほとんど同時に口を開く。
「居なくなってたまるかい」
ガルガドはノリスの後頭部をべちん、と叩きため息をつく。エキューは壁をバンバンたたきながらマウナの名前を呼び続けた。
「生贄……邪悪です」
「邪悪以前に、自分たちがその生贄って分かってます?」
呟くクレアにグイズノーはため息をつき、それから肩をすくめて見せた。
「わたくし、まだまだノーマルライフをエンジョイしたいので、どうにかしてこの屋敷から脱出いたしましょう。左側の皆さんは自分たちが生贄であるとは知らないでしょうが、あちらはあちらで脱出する気持ちにはなってるでしょうから、我々は我々の無事を祈りましょう」
「みんなの無事を祈るんだよ」
レジィナが言うと、拳を握り締めた。
■本放送のほうでは現在種明かし中です。
現在49話。
……いつおわるんでしょうね。
長いほうがいいのかなあ? すぱっと終わったほうがいいのかな?
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