泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「いったい何だったのよ、今の」
フィリスは首を傾げながらもドアにハードロックをかける。
「……エルフの集落が近かったんだろう、警告でパラサが立ち去らなかったから攻撃してきた」
「あんたの村?」
「……」
フィリスの問い掛けにスイフリーは答えず、部屋の中をずんずん横切るとクレアが開けようとしていた小部屋に続くドアの前までやってきた。
「……小部屋に着くと思うか?」
「わかりません」
クレアは眉を寄せてスイフリーを見る。その頃には全員がドアのところまでやってきていた。
「開けるぞ」
ドアを開く。
少し埃っぽい空気。床にはうずたかく積み上げられた本の山がいくつもある。部屋の中央にはテーブルがあるが、その上にも本や書類が所狭しと置かれていて、ぎりぎり書き物が出来るだけのスペースがとられているのが見える。
「!!」
「フィ」
埃っぽい部屋の隅にいた男が何か言うのと、フィリスが勢い良くドアをしめるのはほぼ同時だった。その勢いのまま、早口で何事か言う。ハードロックをかけたのだろう、と皆が気付くまでそう時間はかからなかった。
「どうした?」
アーチボルトの質問に、フィリスは低いドスの効いた声で「何でも無いわよっ」と答える。
「先ほど見えた男性、フィリスの親御さんでは?」
「黙れ」
グイズノーは肩を竦めばつのわるそうな顔をした。表情は殊勝だ。
「しかしどうする」
アーチボルトは全員を見渡した。
「廊下側のドアはスイフリーが開けるなと言う。奥側はフィリスが開けるなと言う。まあ、開けたところでおかしなところへ通じているわけだが」
「おかしなところとは言ってくれる」
スイフリーとフィリスは不機嫌な顔をアーチボルトに向けたが、彼は気にする事無く腕組みをして唸りながら考え事へ突入する。
「やっぱり原因はあれかなぁ」
レジィナが窓の外を見る。相変わらず、庭の中空には青白く光を放つ球体が浮かんでいる。
「まあ、どう見てもあやしいですね」
グイズノーが大きくうなずく。
「あの球体を手に入れるコトが最終目標として、だ」
スイフリーはため息を吐くと全員の表情を一通り見た。あまり深刻な事態だとは思っていなさそうだ、と思う。
「問題が多いな。ドアはまともにつながっていない。へたをしたら洞窟につながっているかもしれない。……武器や防具は部屋。命は最優先に守るものだ。無事に解決するために最初に部屋につきたいものだな」
「あ、もっと大変なことに気付いたにゅう!」
「何だ」
「厨房に真っすぐ行けないんしょ? ご飯どうするにゅ?」
「……」
一同顔を見合わせる。
「いやあ、大問題ですねぇ」
「飯か……重要問題だな」
「しばらくしたら夕食の時間ですよね……」
ため息。
「順番としては、武器、飯、庭の玉、か?」
「飯、飯。ご飯が一番だにゅ」
「まあ、何にせよどの入り口がどこにつながっているか確認しながらメモでも作りますか。厨房につながっている入り口が早く見つかるといいですねー」
そんな話をしているときだった。突然、庭に面した窓の一番右側ががらりと開く。
途端、肉の匂いがふわりとただよう。
「皆行かないのー?」
女の声が聞こえた。
窓の方を見ると、金髪を腰までのばした女がこちらに背を向けている。その向こうには見覚えのある店が広がっている。
女はドアをしめようとしているように見えた。
「そのドアしめるなー!」
全員の叫び声がはもった。
■先週は余裕無くて更新できませんでした。でも今週も実はあんまり余裕ない。
それにしても、いやあ、つながってよかった。
最近友人に送っている分が停滞しているので、いつブログの更新がとまるか、ドキドキモノです。
フィリスは首を傾げながらもドアにハードロックをかける。
「……エルフの集落が近かったんだろう、警告でパラサが立ち去らなかったから攻撃してきた」
「あんたの村?」
「……」
フィリスの問い掛けにスイフリーは答えず、部屋の中をずんずん横切るとクレアが開けようとしていた小部屋に続くドアの前までやってきた。
「……小部屋に着くと思うか?」
「わかりません」
クレアは眉を寄せてスイフリーを見る。その頃には全員がドアのところまでやってきていた。
「開けるぞ」
ドアを開く。
少し埃っぽい空気。床にはうずたかく積み上げられた本の山がいくつもある。部屋の中央にはテーブルがあるが、その上にも本や書類が所狭しと置かれていて、ぎりぎり書き物が出来るだけのスペースがとられているのが見える。
「!!」
「フィ」
埃っぽい部屋の隅にいた男が何か言うのと、フィリスが勢い良くドアをしめるのはほぼ同時だった。その勢いのまま、早口で何事か言う。ハードロックをかけたのだろう、と皆が気付くまでそう時間はかからなかった。
「どうした?」
アーチボルトの質問に、フィリスは低いドスの効いた声で「何でも無いわよっ」と答える。
「先ほど見えた男性、フィリスの親御さんでは?」
「黙れ」
グイズノーは肩を竦めばつのわるそうな顔をした。表情は殊勝だ。
「しかしどうする」
アーチボルトは全員を見渡した。
「廊下側のドアはスイフリーが開けるなと言う。奥側はフィリスが開けるなと言う。まあ、開けたところでおかしなところへ通じているわけだが」
「おかしなところとは言ってくれる」
スイフリーとフィリスは不機嫌な顔をアーチボルトに向けたが、彼は気にする事無く腕組みをして唸りながら考え事へ突入する。
「やっぱり原因はあれかなぁ」
レジィナが窓の外を見る。相変わらず、庭の中空には青白く光を放つ球体が浮かんでいる。
「まあ、どう見てもあやしいですね」
グイズノーが大きくうなずく。
「あの球体を手に入れるコトが最終目標として、だ」
スイフリーはため息を吐くと全員の表情を一通り見た。あまり深刻な事態だとは思っていなさそうだ、と思う。
「問題が多いな。ドアはまともにつながっていない。へたをしたら洞窟につながっているかもしれない。……武器や防具は部屋。命は最優先に守るものだ。無事に解決するために最初に部屋につきたいものだな」
「あ、もっと大変なことに気付いたにゅう!」
「何だ」
「厨房に真っすぐ行けないんしょ? ご飯どうするにゅ?」
「……」
一同顔を見合わせる。
「いやあ、大問題ですねぇ」
「飯か……重要問題だな」
「しばらくしたら夕食の時間ですよね……」
ため息。
「順番としては、武器、飯、庭の玉、か?」
「飯、飯。ご飯が一番だにゅ」
「まあ、何にせよどの入り口がどこにつながっているか確認しながらメモでも作りますか。厨房につながっている入り口が早く見つかるといいですねー」
そんな話をしているときだった。突然、庭に面した窓の一番右側ががらりと開く。
途端、肉の匂いがふわりとただよう。
「皆行かないのー?」
女の声が聞こえた。
窓の方を見ると、金髪を腰までのばした女がこちらに背を向けている。その向こうには見覚えのある店が広がっている。
女はドアをしめようとしているように見えた。
「そのドアしめるなー!」
全員の叫び声がはもった。
■先週は余裕無くて更新できませんでした。でも今週も実はあんまり余裕ない。
それにしても、いやあ、つながってよかった。
最近友人に送っている分が停滞しているので、いつブログの更新がとまるか、ドキドキモノです。
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