泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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鏡の間には他に目立つものはなく、また他にすることもなく、入り口向かい側にあるドアをあけ先へ進む。
ドアの先にはまた細い通路が伸びていた。相変わらず赤黒い壁や床の色、這い回る管の様子は変わらない。通路は右手側にまっすぐ伸びていて、付近の壁には扉などはなかった。
「ずーっとまっすぐ、にゅ」
軽い足取りで歩きながらパラサは呟く。
「なんか、変な感じー」
「遺跡だとしても家だとしても妙なのは間違いないな」
スイフリーが背後から答える。少々尖った声であることから、多分イラついているのだろう、とパラサは判断した。からかうと面白いかもしれないが、今はそういう時ではないだろう。残念だ。
「それにしても、だ」
アーチボルトがため息交じりの声を出す。
「一体、これはいつまで続くのだろうな」
「出口があるといいですけど」
マウナの疲れた声。先が見えないことは随分心細い。
これが遺跡であれば、先が分からないのは普通であるから気にならない。しかしここは正体不明の屋敷、しかも自分たちは生贄であるかもしれないのだ。憂鬱にもなる。
「ドアはっけーん、にゅ」
先頭でパラサの声がした。見てみると、通路の行き止まりに近い左手側の壁に、ドアが一つだけあるのが見えた。相変わらず、赤黒くまがまがしい造りになっている。パラサはそういうデザインはあまり気にしないのか、すぐにドア近くにしゃがみこむ。しばらくいろいろドアを探り、最終的に「罠なし、かぎなし」という結論に達した事を伝えると、ドアを開けた。
中はだだっ広い。
今まで歩いてきた通路分、すべてが部屋の横幅になっているようだった。奥行きも結構ある。相変わらず床や天井が赤黒く、管が走っていることを別にすれば、開放感がなくもない。
「にゅ? 人がいる」
部屋には先客がいた。
いるのは7人。
背が低いがっしりしたのが2人、ほっそりした少年が2人、ずんぐりした男性1人、女性2人。
「姉ちゃん! グイズノーやレジィナ姉ちゃんもいるにゅ!」
走りよろうとしたパラサの首根っこをスイフリーが掴んだ。
「何するにゅ、はとこ」
スイフリーの目は、抗議の声をあげる近くのグラスランナーではなく、部屋の向こう側にいる仲間たちに向けられている。その瞳はあくまで鋭く、仲間を見るいつもの目とは違っていた。
何かをたくらんでいる時の目に似ている、とパラサは思う。
「良かった、みんな無事だったんだ」
「ノリスとバスしかいないのに……おやっさん胃に穴あいてないといいんだが」
イリーナやヒースがほっとした声を上げる。
「どう思う、アーチー」
スイフリーは向こうにいる仲間たちに目を向けたまま、近くにいるアーチボルトに声を掛けた。
「どう、とは?」
「あいつら、なぜここにいる? 屋敷は分断されてるんではないのか?」
「つながってたのかもしれませんよ?」
イリーナがスイフリーの声に首をかしげる。
「だとしたら、出口はないことになるぞ」
スイフリーはそこで声を張り上げる。
「どこからきた?」
問いかけに答えたのはグイズノーだった。
「どこって、それはあちら側からですよ」
グイズノーは左手を屋敷の向こう側に向ける。
「つながっているのか?」
「そうですよ、ふふ」
いつもどおりの、得体の知れない笑顔。
「だとしたら、出口はないのか?」
スイフリーの声は少しずつ低く、そして棘を持ち始める。
「そうですよ。もう出られないのですよ」
「そんな!」
グイズノーの返答にイリーナが思わず声を上げる。
スイフリーはそこで少し黙った。
そして視線を動かして、じっとレジィナとクレアを見る。
「何? スイフリー、何でじっと見てるの?」
レジィナが首を傾げて見せた。グレーとソードの柄が、右肩越しに見えた。
「どうしたのですか?」
クレアも不思議そうな顔をする。剣が右腰に下げられている。
「アーチー」
スイフリーの小声の呼びかけに、アーチーが視線だけスイフリーに向けた。
「右利きは、剣をどちら側に下げる?」
「そりゃ左だ」
「だよな」
「何の話?」
フィリスが会話に入る。
「レジィナもクレアも右利きだ。しかし、あそこにいる二人は剣を左利き用に下げている」
「にゅ? じゃあ?」
「アレは偽者、の可能性が高い。屋敷は一階も二階も、ほぼシンメトリーに造られていた。とすれば、あっちを歩いている本物たちも、わたしたちと同じように鏡の間を通った可能性がある。そこで姿を真似られたのかも知れん。あちらにも今頃、わたしたちの偽者があらわれているかも知れんな」
「姿を真似られたって、誰に?」
「そんなの知るか。記憶まで盗られているかどうかが分からないのが困りものだ。どうにかして本物か偽者か、確定できる事項はないものか」
「スイフリーはクレアの何か特別なこと知らないの?」
フィリスがにまりとした笑顔を向ける。
「特別?」
「服に隠れて見えないほくろの位置とか」
「……こういうときでも恋愛話ができる姉ちゃんは大物だと思うにゅ」
「エキューやノリスのことででも良いぞ、知らんのか?」
「そういわれても、俺様エキューやノリスの裸に興味の持ちようがないぞ」
「私も知りません……ヒース兄さんのなら知ってるんですけど」
「何? あんたたち、そういう仲なの?」
「子どものころ、着替えを見たとかそういう話です」
「つまんなーい」
「一体何をごちゃごちゃ話しているんですか?」
クレアが不思議そうな声を上げる。
「気にするな」
返事をして、全員目配せをする。
「さて、どうする?」
■とりあえず、1週間に複数回アップをしたらどういう感じか、確かめるために今週は「火曜日のラブシック、金曜日の泡ぽこ」の原則を変更してみました。
今週は月水金に泡ぽことラブシックをアップしてみます。
それでももう40回ですか。うだうだやってますな。
ところで、話はがらりと変わって。
友人たちには「私は話を送るから、クレアさんを描いてくれ」という約束とともに、この話を書いているはずなのですが、65回話を書いたのに(もう65話なのに、この話はまだ続いています。流石に終わりそうですが)1枚しかクレアさんはもらえていません。読み手が6人も居るのにね……。リクエストに答えてストーリーは寄り道してるのにね……。
そういう状況で、流石にクレアさん分(脳内萌えの原料)が足りなくなってきました。
友人達にはそれでも会うたびに、そしてメールを出すたびに「クレアさんを描け、目の色は茶色だ」と呪文のように言っているのですが、私はいつクレアさんを描いてもらえるのでしょう。
高月はひろくクレアさんを募集しています(笑)もう友人は頼れない。頼っても無駄だ(笑)
絵板にでも書いてやってください。
餌の一つもちらつかせなきゃ、動物は芸しませんって。
うう、クレアさん……。
最近落書きするとクレアさんばかり描いている高月より。
ドアの先にはまた細い通路が伸びていた。相変わらず赤黒い壁や床の色、這い回る管の様子は変わらない。通路は右手側にまっすぐ伸びていて、付近の壁には扉などはなかった。
「ずーっとまっすぐ、にゅ」
軽い足取りで歩きながらパラサは呟く。
「なんか、変な感じー」
「遺跡だとしても家だとしても妙なのは間違いないな」
スイフリーが背後から答える。少々尖った声であることから、多分イラついているのだろう、とパラサは判断した。からかうと面白いかもしれないが、今はそういう時ではないだろう。残念だ。
「それにしても、だ」
アーチボルトがため息交じりの声を出す。
「一体、これはいつまで続くのだろうな」
「出口があるといいですけど」
マウナの疲れた声。先が見えないことは随分心細い。
これが遺跡であれば、先が分からないのは普通であるから気にならない。しかしここは正体不明の屋敷、しかも自分たちは生贄であるかもしれないのだ。憂鬱にもなる。
「ドアはっけーん、にゅ」
先頭でパラサの声がした。見てみると、通路の行き止まりに近い左手側の壁に、ドアが一つだけあるのが見えた。相変わらず、赤黒くまがまがしい造りになっている。パラサはそういうデザインはあまり気にしないのか、すぐにドア近くにしゃがみこむ。しばらくいろいろドアを探り、最終的に「罠なし、かぎなし」という結論に達した事を伝えると、ドアを開けた。
中はだだっ広い。
今まで歩いてきた通路分、すべてが部屋の横幅になっているようだった。奥行きも結構ある。相変わらず床や天井が赤黒く、管が走っていることを別にすれば、開放感がなくもない。
「にゅ? 人がいる」
部屋には先客がいた。
いるのは7人。
背が低いがっしりしたのが2人、ほっそりした少年が2人、ずんぐりした男性1人、女性2人。
「姉ちゃん! グイズノーやレジィナ姉ちゃんもいるにゅ!」
走りよろうとしたパラサの首根っこをスイフリーが掴んだ。
「何するにゅ、はとこ」
スイフリーの目は、抗議の声をあげる近くのグラスランナーではなく、部屋の向こう側にいる仲間たちに向けられている。その瞳はあくまで鋭く、仲間を見るいつもの目とは違っていた。
何かをたくらんでいる時の目に似ている、とパラサは思う。
「良かった、みんな無事だったんだ」
「ノリスとバスしかいないのに……おやっさん胃に穴あいてないといいんだが」
イリーナやヒースがほっとした声を上げる。
「どう思う、アーチー」
スイフリーは向こうにいる仲間たちに目を向けたまま、近くにいるアーチボルトに声を掛けた。
「どう、とは?」
「あいつら、なぜここにいる? 屋敷は分断されてるんではないのか?」
「つながってたのかもしれませんよ?」
イリーナがスイフリーの声に首をかしげる。
「だとしたら、出口はないことになるぞ」
スイフリーはそこで声を張り上げる。
「どこからきた?」
問いかけに答えたのはグイズノーだった。
「どこって、それはあちら側からですよ」
グイズノーは左手を屋敷の向こう側に向ける。
「つながっているのか?」
「そうですよ、ふふ」
いつもどおりの、得体の知れない笑顔。
「だとしたら、出口はないのか?」
スイフリーの声は少しずつ低く、そして棘を持ち始める。
「そうですよ。もう出られないのですよ」
「そんな!」
グイズノーの返答にイリーナが思わず声を上げる。
スイフリーはそこで少し黙った。
そして視線を動かして、じっとレジィナとクレアを見る。
「何? スイフリー、何でじっと見てるの?」
レジィナが首を傾げて見せた。グレーとソードの柄が、右肩越しに見えた。
「どうしたのですか?」
クレアも不思議そうな顔をする。剣が右腰に下げられている。
「アーチー」
スイフリーの小声の呼びかけに、アーチーが視線だけスイフリーに向けた。
「右利きは、剣をどちら側に下げる?」
「そりゃ左だ」
「だよな」
「何の話?」
フィリスが会話に入る。
「レジィナもクレアも右利きだ。しかし、あそこにいる二人は剣を左利き用に下げている」
「にゅ? じゃあ?」
「アレは偽者、の可能性が高い。屋敷は一階も二階も、ほぼシンメトリーに造られていた。とすれば、あっちを歩いている本物たちも、わたしたちと同じように鏡の間を通った可能性がある。そこで姿を真似られたのかも知れん。あちらにも今頃、わたしたちの偽者があらわれているかも知れんな」
「姿を真似られたって、誰に?」
「そんなの知るか。記憶まで盗られているかどうかが分からないのが困りものだ。どうにかして本物か偽者か、確定できる事項はないものか」
「スイフリーはクレアの何か特別なこと知らないの?」
フィリスがにまりとした笑顔を向ける。
「特別?」
「服に隠れて見えないほくろの位置とか」
「……こういうときでも恋愛話ができる姉ちゃんは大物だと思うにゅ」
「エキューやノリスのことででも良いぞ、知らんのか?」
「そういわれても、俺様エキューやノリスの裸に興味の持ちようがないぞ」
「私も知りません……ヒース兄さんのなら知ってるんですけど」
「何? あんたたち、そういう仲なの?」
「子どものころ、着替えを見たとかそういう話です」
「つまんなーい」
「一体何をごちゃごちゃ話しているんですか?」
クレアが不思議そうな声を上げる。
「気にするな」
返事をして、全員目配せをする。
「さて、どうする?」
■とりあえず、1週間に複数回アップをしたらどういう感じか、確かめるために今週は「火曜日のラブシック、金曜日の泡ぽこ」の原則を変更してみました。
今週は月水金に泡ぽことラブシックをアップしてみます。
それでももう40回ですか。うだうだやってますな。
ところで、話はがらりと変わって。
友人たちには「私は話を送るから、クレアさんを描いてくれ」という約束とともに、この話を書いているはずなのですが、65回話を書いたのに(もう65話なのに、この話はまだ続いています。流石に終わりそうですが)1枚しかクレアさんはもらえていません。読み手が6人も居るのにね……。リクエストに答えてストーリーは寄り道してるのにね……。
そういう状況で、流石にクレアさん分(脳内萌えの原料)が足りなくなってきました。
友人達にはそれでも会うたびに、そしてメールを出すたびに「クレアさんを描け、目の色は茶色だ」と呪文のように言っているのですが、私はいつクレアさんを描いてもらえるのでしょう。
高月はひろくクレアさんを募集しています(笑)もう友人は頼れない。頼っても無駄だ(笑)
絵板にでも書いてやってください。
餌の一つもちらつかせなきゃ、動物は芸しませんって。
うう、クレアさん……。
最近落書きするとクレアさんばかり描いている高月より。
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