泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「説明を始めてよろしいですか?」
暫らく様子を見守っていたクレアが、どうやら事態は好転したりしないと感じ取って声をかける。
「いいともいいとも、進めてくれたまえ」
「えらっそーに」
まるで自分が招待されたかのようにヒースはふんぞり返ってクレアに先を促す。それに対してぼそりと感想を述べたのはエキュー。呆れてしまっている、というのが実際だ。
そんな二人の様子に動じることもなく、クレアは淡々と説明を始めた。
「法皇様なのですが、明日はご予定があるとのことで、面会は2日後となりました。当日はファリス神殿で王城からの使者を待ちます。当初はイリーナだけという予定でしたが、一緒に戦ったものも是非、とのことなので、皆さんも一緒に王城へ向かってください」
急展開に、オーファンの冒険者たちはどよめく。
「いいのかしら」
「向こうがいいっていうんだから、いいんじゃない?」
両頬に手をあてうろたえるマウナに、ノリスは軽い声で頷いてみせる。こういう状況でも自然体で居られる、というのはもしかしたら大物なのかもしれない。何も考えてないだけかもしれない。
「ワシはマイリー神官なのだが、いいんじゃろうか?」
「わたくしもラーダ神官ですけど、お会いしたことありますし、大丈夫でしょう」
流石のことに、ガルガドですら動揺した。グイズノーはそれを珍しい、と感じつつ、別に心配は要らないとつたえる。事実、問題は無かった。
確かにこの国はファリス以外の神官は暮らしにくいと言えなくもないが、だからといって被害をこうむることなども無い。
「新たなサーガを作れますな」
「できたら是非聞かせてください」
バスがニコニコと笑い、レジィナが嬉しそうな顔をする。
「さて、それで詳しい話は終わりか? そんなことはないだろう?」
スイフリーに先を促され、クレアは頷いてから続きを話す。
「王城へは私やアーチボルトさんたちは今回ついていけませんので、当日は使者の方々の指示にしたがってください。謁見はそう長い時間にはならないと思います。お言葉を賜ったら、再びファリス神殿へ戻ってきていただきます。それでおしまいです」
「割とあっけないもんなんだな」
「会えるだけですごいことなんだから、そんなこと言わないの!」
マウナはヒースの後頭部に、いつもどおり突込みを入れる。
「イリーナ、分かったか?」
未だ机に突っ伏したままのイリーナに、ヒースは呆れたような顔をしつつも確認のため声をかける。
「聞いてました。わかりました」
「グレートソードとファリスの一番偉い人と比べて、グレートソードのほうがえらいの?」
いつまでたっても浮上してこないイリーナに、ノリスは不思議そうに首をかくんと傾けて見せた。
「どっちも大切です」
「わりと欲張りにゅ」
へらりとパラサは笑う。
「パラサはそういう感じの二択ならどうなの?」
フィリスがにまっと笑う。
「どんな感じにゅ?」
「クレアと友愛団の一番偉い人なら、どっち?」
「そんなん、クレア姉ちゃんにゅ」
「お前、だから友愛団探せないんじゃないか?」
即答したパラサに、スイフリーは呆れた顔をする。
「いいんにゅ。だって俺、オラン所属だし」
「オランもアノスも、グラスランナーの移籍は気にしてられんのじゃないか? 事実、徴収に来ない」
「何の話ですか?」
「クレア姉ちゃんは知らなくていいんにゅ」
にぱりとパラサは笑って見せる。クレアは首を傾げたが、それ以上追求しなかった。追求してもかわされるのがオチだ。
「と、なると。明日は一日全員がフリーと言うことになるな。我々は2日後までかっきり何もなし。宿で待機か」
アーチボルトが強引に話を元に戻す。別に話が脱線するのは嫌いではないが、先にまとめることはまとめておいたほうがいい。
「じゃあ、明日は一日遊べるんだ。ファーズの観光だね!」
「浮かれるな、クソガキ」
「しかし、今度いつこちらへ来るか分からないのもまた事実。来るのに4ヶ月はかかりますからな。この際色々見ておくのは良いことです」
バスが大きく頷く。芸術家を自称する彼にとって、新しい街がどれだけ魅力的に見えるかなど、聞かなくても分かる。
「ファーズ観光ねえ」
スイフリーが不思議そうな顔をする。一体この街のどこに、見るべき価値が存在するのだろう。
「どこかお勧めとかありますか?」
マウナの質問に、一同は暫く考える。
「ファリス神殿は放っておいても見れるわけだし。王城にいたっては中に入れるのだし。……どこかな?」
「エライセンのおっちゃんの音楽堂は?」
「何か出し物があれば開いてるかも知れないが……基本的に外観見るだけにならないか?」
「やっぱりお饅頭屋さんじゃない?」
口々に述べていくが、そもそもファーズ在住というわけでもないので、基本的に自分たちが行く場所くらいしか知らない、というのが現状だ。
「音楽堂へは是非行ってみたいものですな」
バスが大きく頷く。
「アーティストとして、行かないわけにはいきません」
「俺様としてはやはり魔術師ギルドははずせまい!」
ヒースは「この溢れんばかりの知識がどこでも通用することを証明するのだー」などと言いながら深く何度も頷く。
「あちこち見て回りたいのは確かかも。お母さんたちにお土産買って行きたいし」
「マウナさんが行くなら、僕も行きます!」
エキューが素早く挙手する。
「では音楽堂班と魔術師ギルド班、それと散策班にわかれて案内すればいいですね」
グイズノーが話をまとめ、その日はそれで解散となった。
■金曜日にアップするのを忘れていました。
いま、ちょっと時間に余裕ができたので、アップしておきます。
気付けば、31日は月曜日なんですね。忘れないようにしないと。
暫らく様子を見守っていたクレアが、どうやら事態は好転したりしないと感じ取って声をかける。
「いいともいいとも、進めてくれたまえ」
「えらっそーに」
まるで自分が招待されたかのようにヒースはふんぞり返ってクレアに先を促す。それに対してぼそりと感想を述べたのはエキュー。呆れてしまっている、というのが実際だ。
そんな二人の様子に動じることもなく、クレアは淡々と説明を始めた。
「法皇様なのですが、明日はご予定があるとのことで、面会は2日後となりました。当日はファリス神殿で王城からの使者を待ちます。当初はイリーナだけという予定でしたが、一緒に戦ったものも是非、とのことなので、皆さんも一緒に王城へ向かってください」
急展開に、オーファンの冒険者たちはどよめく。
「いいのかしら」
「向こうがいいっていうんだから、いいんじゃない?」
両頬に手をあてうろたえるマウナに、ノリスは軽い声で頷いてみせる。こういう状況でも自然体で居られる、というのはもしかしたら大物なのかもしれない。何も考えてないだけかもしれない。
「ワシはマイリー神官なのだが、いいんじゃろうか?」
「わたくしもラーダ神官ですけど、お会いしたことありますし、大丈夫でしょう」
流石のことに、ガルガドですら動揺した。グイズノーはそれを珍しい、と感じつつ、別に心配は要らないとつたえる。事実、問題は無かった。
確かにこの国はファリス以外の神官は暮らしにくいと言えなくもないが、だからといって被害をこうむることなども無い。
「新たなサーガを作れますな」
「できたら是非聞かせてください」
バスがニコニコと笑い、レジィナが嬉しそうな顔をする。
「さて、それで詳しい話は終わりか? そんなことはないだろう?」
スイフリーに先を促され、クレアは頷いてから続きを話す。
「王城へは私やアーチボルトさんたちは今回ついていけませんので、当日は使者の方々の指示にしたがってください。謁見はそう長い時間にはならないと思います。お言葉を賜ったら、再びファリス神殿へ戻ってきていただきます。それでおしまいです」
「割とあっけないもんなんだな」
「会えるだけですごいことなんだから、そんなこと言わないの!」
マウナはヒースの後頭部に、いつもどおり突込みを入れる。
「イリーナ、分かったか?」
未だ机に突っ伏したままのイリーナに、ヒースは呆れたような顔をしつつも確認のため声をかける。
「聞いてました。わかりました」
「グレートソードとファリスの一番偉い人と比べて、グレートソードのほうがえらいの?」
いつまでたっても浮上してこないイリーナに、ノリスは不思議そうに首をかくんと傾けて見せた。
「どっちも大切です」
「わりと欲張りにゅ」
へらりとパラサは笑う。
「パラサはそういう感じの二択ならどうなの?」
フィリスがにまっと笑う。
「どんな感じにゅ?」
「クレアと友愛団の一番偉い人なら、どっち?」
「そんなん、クレア姉ちゃんにゅ」
「お前、だから友愛団探せないんじゃないか?」
即答したパラサに、スイフリーは呆れた顔をする。
「いいんにゅ。だって俺、オラン所属だし」
「オランもアノスも、グラスランナーの移籍は気にしてられんのじゃないか? 事実、徴収に来ない」
「何の話ですか?」
「クレア姉ちゃんは知らなくていいんにゅ」
にぱりとパラサは笑って見せる。クレアは首を傾げたが、それ以上追求しなかった。追求してもかわされるのがオチだ。
「と、なると。明日は一日全員がフリーと言うことになるな。我々は2日後までかっきり何もなし。宿で待機か」
アーチボルトが強引に話を元に戻す。別に話が脱線するのは嫌いではないが、先にまとめることはまとめておいたほうがいい。
「じゃあ、明日は一日遊べるんだ。ファーズの観光だね!」
「浮かれるな、クソガキ」
「しかし、今度いつこちらへ来るか分からないのもまた事実。来るのに4ヶ月はかかりますからな。この際色々見ておくのは良いことです」
バスが大きく頷く。芸術家を自称する彼にとって、新しい街がどれだけ魅力的に見えるかなど、聞かなくても分かる。
「ファーズ観光ねえ」
スイフリーが不思議そうな顔をする。一体この街のどこに、見るべき価値が存在するのだろう。
「どこかお勧めとかありますか?」
マウナの質問に、一同は暫く考える。
「ファリス神殿は放っておいても見れるわけだし。王城にいたっては中に入れるのだし。……どこかな?」
「エライセンのおっちゃんの音楽堂は?」
「何か出し物があれば開いてるかも知れないが……基本的に外観見るだけにならないか?」
「やっぱりお饅頭屋さんじゃない?」
口々に述べていくが、そもそもファーズ在住というわけでもないので、基本的に自分たちが行く場所くらいしか知らない、というのが現状だ。
「音楽堂へは是非行ってみたいものですな」
バスが大きく頷く。
「アーティストとして、行かないわけにはいきません」
「俺様としてはやはり魔術師ギルドははずせまい!」
ヒースは「この溢れんばかりの知識がどこでも通用することを証明するのだー」などと言いながら深く何度も頷く。
「あちこち見て回りたいのは確かかも。お母さんたちにお土産買って行きたいし」
「マウナさんが行くなら、僕も行きます!」
エキューが素早く挙手する。
「では音楽堂班と魔術師ギルド班、それと散策班にわかれて案内すればいいですね」
グイズノーが話をまとめ、その日はそれで解散となった。
■金曜日にアップするのを忘れていました。
いま、ちょっと時間に余裕ができたので、アップしておきます。
気付けば、31日は月曜日なんですね。忘れないようにしないと。
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