泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「特に何事もなし、と」
帰って来た面々に、アーチボルトは深く頷く。
「綺麗だけど、冒険者は住みにくい街だね。傭兵とかも」
エキューの率直な感想に、全員が深く頷く。ファリス神官のイリーナでさえ、小さく頷いている。街のあちこちで、大剣を背負って歩くイリーナは奇異の目でみられ、流石に少々恥ずかしかったのだ。ファンの街では名物と化していて誰も気に留めないし、ここまでの街では他にも大剣持ちの女性冒険者はたくさん見かけたので目立たなかったため、このような体験はしなかったのだ。
「何だか、私が知っているファリス様の教えと、ちょーっと違った気がするのよね」
マウナが苦笑する。
「ファンのファリス神殿はなんとなく、力万歳! ってかんじだもんね。イリーナのせいで」
ノリスが能天気に返答する。イリーナは「力も必要ですよ!」などと力説して応戦した。
「この街の利点といえば、とりあえず約束が違えられないことくらいだ」
スイフリーが苦い声で呟く。つまり彼にはその程度しか魅力が無い、という意味でもある。
「そうそう、音楽堂、ちょっと前にお化け騒ぎがあったらしいよ」
「何それ」
レジィナの言葉に、フィリスは視線をレジィナに向ける。
「バスさんと音楽堂へ行ってきたんだけど、そのときに噂を聞いてきたんだ。音楽堂にお化けが出るって話があったんだって。もう解決してたけど」
「ほう」
アーチボルトがレジィナに興味の目を向ける。
「詳しく聞きたいな、それは」
「なんかね、音楽堂に決まった時間にお化けが出るって話でね。冒険者が退治したんだって」
「ざっくりしすぎですよ、その説明」
グイズノーが呆れた顔をする。
「俺その話しってるにゅ。随分前とちゃう? はとこと二人で劇団追いかけてるときにはもう解決してた」
「へえ、そうなの?」
「解決したのは結果的に我々を騙った冒険者たちだ。その頃はまだ騙ってなかったが」
スイフリーはさほど興味なくそこまでいうと黙る。
「設計ミスが原因にゅ」
「エライセンもついてないわねー、音楽堂、災難続きじゃない」
パラサのあっけない結論に、フィリスは思わずエライセンに同情の言葉を寄せる。
「上手くまとめれば、歌になりますよ」
「その通りですな」
レジィナの言葉にバスが大きく頷く。新しい曲、という言葉にマウナの目が一瞬きらりと輝いた。歌のレパートリーが増えるということは、新しい客層が開発される可能性があり、その人たちが小鳩亭へ歌を聴きに来るようになれば、売上に繋がるからだ。
「たまには恋愛の歌とかにしませんか? そのほうが儲かりますよ」
「興味なーい」
グイズノーの発言はざっくりとレジィナに切り捨てられる。
「大して話が盛り上がらなかったな」
アーチボルトが軽いため息をついたとき、宿のドアが開き、見慣れた姿が入ってきた。
「クレア姉ちゃん!」
パラサの顔がぱっと明るくなり、その言葉に導かれるようにクレアがこちらに歩いてくる。
「おそろいのようで何よりです」
クレアは真面目な顔でいうと、パラサの勧めた彼の隣の席に着く。
「明日のことですが、大体の時間が決まりました。朝早くには神殿に来ていてください。法王様の朝のお祈りが済み次第謁見とのことですから」
「昼の祈りまでに済ますということか」
「まあ、そうです」
クレアは頷くと、小さなメダルをイリーナたち全員に手渡した。
「コレを神殿の誰かに見せてもらえば、待合の部屋まで案内してもらえますから、どうぞ。私が朝から迎えに来れるかどうか分からないので」
「分からないとはどういうことだ?」
「予定では、この宿から神殿までは私が案内しまして、王城までは使者の方が案内するんですけど」
クレアはそこまでいうと一度黙る。
「どうせ神殿のくだらない面子だとかそういうもんが絡む話だろう?」
スイフリーは無感動にいうと肩をすくめて見せた。クレアは答えなかったが、その苦笑から、多分その通りなのだろうと全員が判断した。
「ともかく、明日その謁見を終わらせて、明後日にはここを発とう。我々の城まではここから一週間はある」
「あ、結構遠いんだ」
「末端領主だからにゅ」
ノリスの言葉に、パラサは笑って見せた。
■次は法王様、それからストローウィック城。
あ、その前に、アーチーを活躍させようの会、があった。
乞うご期待!
というわけで今年もよろしくおねがいします。
今月はいつを更新日にするかまだ未定です。
泡ぽこも終りが近づいてきたし、そろそろこの先どうするか考えないとなー。
……ラバーズライクまじめに考えよう……。
あと、ラブシックの番外編とか。
ところで最近、あんまり反応が無くてちょっと寂しいです(←正直者)
■どうでもいい話。
WEB拍手、友人に「ぞめく」の意味を説明したほうがいいんじゃないかといわれたので、注をいれておきました。
帰って来た面々に、アーチボルトは深く頷く。
「綺麗だけど、冒険者は住みにくい街だね。傭兵とかも」
エキューの率直な感想に、全員が深く頷く。ファリス神官のイリーナでさえ、小さく頷いている。街のあちこちで、大剣を背負って歩くイリーナは奇異の目でみられ、流石に少々恥ずかしかったのだ。ファンの街では名物と化していて誰も気に留めないし、ここまでの街では他にも大剣持ちの女性冒険者はたくさん見かけたので目立たなかったため、このような体験はしなかったのだ。
「何だか、私が知っているファリス様の教えと、ちょーっと違った気がするのよね」
マウナが苦笑する。
「ファンのファリス神殿はなんとなく、力万歳! ってかんじだもんね。イリーナのせいで」
ノリスが能天気に返答する。イリーナは「力も必要ですよ!」などと力説して応戦した。
「この街の利点といえば、とりあえず約束が違えられないことくらいだ」
スイフリーが苦い声で呟く。つまり彼にはその程度しか魅力が無い、という意味でもある。
「そうそう、音楽堂、ちょっと前にお化け騒ぎがあったらしいよ」
「何それ」
レジィナの言葉に、フィリスは視線をレジィナに向ける。
「バスさんと音楽堂へ行ってきたんだけど、そのときに噂を聞いてきたんだ。音楽堂にお化けが出るって話があったんだって。もう解決してたけど」
「ほう」
アーチボルトがレジィナに興味の目を向ける。
「詳しく聞きたいな、それは」
「なんかね、音楽堂に決まった時間にお化けが出るって話でね。冒険者が退治したんだって」
「ざっくりしすぎですよ、その説明」
グイズノーが呆れた顔をする。
「俺その話しってるにゅ。随分前とちゃう? はとこと二人で劇団追いかけてるときにはもう解決してた」
「へえ、そうなの?」
「解決したのは結果的に我々を騙った冒険者たちだ。その頃はまだ騙ってなかったが」
スイフリーはさほど興味なくそこまでいうと黙る。
「設計ミスが原因にゅ」
「エライセンもついてないわねー、音楽堂、災難続きじゃない」
パラサのあっけない結論に、フィリスは思わずエライセンに同情の言葉を寄せる。
「上手くまとめれば、歌になりますよ」
「その通りですな」
レジィナの言葉にバスが大きく頷く。新しい曲、という言葉にマウナの目が一瞬きらりと輝いた。歌のレパートリーが増えるということは、新しい客層が開発される可能性があり、その人たちが小鳩亭へ歌を聴きに来るようになれば、売上に繋がるからだ。
「たまには恋愛の歌とかにしませんか? そのほうが儲かりますよ」
「興味なーい」
グイズノーの発言はざっくりとレジィナに切り捨てられる。
「大して話が盛り上がらなかったな」
アーチボルトが軽いため息をついたとき、宿のドアが開き、見慣れた姿が入ってきた。
「クレア姉ちゃん!」
パラサの顔がぱっと明るくなり、その言葉に導かれるようにクレアがこちらに歩いてくる。
「おそろいのようで何よりです」
クレアは真面目な顔でいうと、パラサの勧めた彼の隣の席に着く。
「明日のことですが、大体の時間が決まりました。朝早くには神殿に来ていてください。法王様の朝のお祈りが済み次第謁見とのことですから」
「昼の祈りまでに済ますということか」
「まあ、そうです」
クレアは頷くと、小さなメダルをイリーナたち全員に手渡した。
「コレを神殿の誰かに見せてもらえば、待合の部屋まで案内してもらえますから、どうぞ。私が朝から迎えに来れるかどうか分からないので」
「分からないとはどういうことだ?」
「予定では、この宿から神殿までは私が案内しまして、王城までは使者の方が案内するんですけど」
クレアはそこまでいうと一度黙る。
「どうせ神殿のくだらない面子だとかそういうもんが絡む話だろう?」
スイフリーは無感動にいうと肩をすくめて見せた。クレアは答えなかったが、その苦笑から、多分その通りなのだろうと全員が判断した。
「ともかく、明日その謁見を終わらせて、明後日にはここを発とう。我々の城まではここから一週間はある」
「あ、結構遠いんだ」
「末端領主だからにゅ」
ノリスの言葉に、パラサは笑って見せた。
■次は法王様、それからストローウィック城。
あ、その前に、アーチーを活躍させようの会、があった。
乞うご期待!
というわけで今年もよろしくおねがいします。
今月はいつを更新日にするかまだ未定です。
泡ぽこも終りが近づいてきたし、そろそろこの先どうするか考えないとなー。
……ラバーズライクまじめに考えよう……。
あと、ラブシックの番外編とか。
ところで最近、あんまり反応が無くてちょっと寂しいです(←正直者)
■どうでもいい話。
WEB拍手、友人に「ぞめく」の意味を説明したほうがいいんじゃないかといわれたので、注をいれておきました。
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