泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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■5
アノスの首都、ファーズは美しい都市である。
大理石を多用した白い町並み、ステンドグラスからの幻想的な光、祈りの時間に流れる鐘の音。その全てがファリスの栄光をたたえるものであり、ファリス信者が大半を占めるこの国では、その風景は誇りでもある。
逆に言ってしまえば、ファリス信者でなければ、ただ美しいと感じられる町並みであり、それよりも特に冒険者であれば、その堅苦しい雰囲気であるとか、自分たちに向けられる好奇の目であるとか、杓子定規的で全く柔軟性のないシステムであるとか、その他もろもろ不慣れな事が多発して正直やりにくい国である、とも言える。
つまり、オーファンから来た冒険者たちにとって、ファーズの評価は真っ二つになった。
「すばらしいです!」
と何もかもに感動するのは勿論イリーナ。見るもの全てに何となくファリスの正義を感じているような気がする。
ヒースもファリス信者の端くれ、流石に堅苦しさには居心地の悪さも感じるが、ファリスの総本山に来て悪い気はしない。
正直に居心地が悪いのは、他の神を信仰するドワーフの二人組み。
勿論何かがあったわけではないのだが、疎外感を感じないわけではない。特にガルガドの場合、マイリー信仰の厚いオーファンから来たわけで、感じる落差はかなりのものがあった。バスのほうは、その点まだマシで、初めて見る町並みに新たなサーガのタネが無いか探すくらいの余裕はある。
エキューもどちらかといえば、あまりこの街は好きになれなかった。何となくやりづらい、そんな気持ちにさせる街だ、と思う。ついでに言えば、他の街ならまだ冒険者がたくさん居て、エルフやハーフエルフを見る機会もあるのに、この街では冒険者が少ないせいで彼等を見かけないし、エルフにいたっては神を信じない種族、見ることはほぼ絶望的だ。
旅のお楽しみ程度のアクセントだが、それが全く無いのはそれはそれでつまらないというか残念でならないというか。
マウナもどちらかといえば、居心地が悪い。きちんとした服装の人たちが歩いているのは、好感が持てる。しかしその彼等から自分たちに向けられるのは好奇の目であり、さらにはソレがハーフエルフという自分に対する差別の目に感じられてくる。オーファンで自分は随分暖かに接して貰っていたのだな、と感じる。
ちなみにノリスはどちらの感想もあまり抱かなかった。街は綺麗だし、見るものは珍しい。けど、仕事はやりにくそう。まあ、住む事は無いんだし、見物していけばいいか、といったところである。
「久々に来たが、相変わらずだな」
スイフリーが口をへの字にしてぼやく。
「はとこには悪い思い出しかないもんねえ」
「喧しいわ」
そんな会話をよそに、レジィナはオーファンの冒険者たちを見る。
「最初はなれないかもしれないけど、なれちゃえば大した事ないよ。悪い人たちじゃないんだ、悪い人たちじゃ」
「ルールさえ守れば問題ないわよ。あんな目、気にしないでいいのよ」
フィリスはそれとなくマウナを自分の背に隠しながら言う。
「ありがとうございます」
「いいのよ」
「では、私は神殿へ向かいます。イリーナの到着の報告や、その他連絡など済ませてきます」
クレアは硬質な声で宣言する。
「私も神殿見てみたいです」
イリーナの挙手に、クレアは困った顔をした。
「そうですね、一般信者ならただの巡礼として簡単に入ってもらえるのですが……イリーナは正式な客人ですし」
「今回は遠慮しとけ、イリーナ。正式に招待されたときにあっちこっち見て回ればいいだろ」
「……わかりました」
ヒースの言葉にうなずきつつも、非常に残念そうな顔をするイリーナに、クレアは軽く頭を下げる。
「では我々はいつもの宿に居るから。何かあったら連絡してくれたまえ」
「わかりました」
「姉ちゃん、送っていこうか?」
パラサがクレアを見上げる。彼女は少し微笑むと、「大丈夫ですよ」と返答する。パラサは残念そうな顔をしたが、すぐに立ち直る。
「じゃ、またね、にゅ」
■……昨日が金曜日だったんですね(苦笑)
どうも曜日感覚がぬけているというか……。
通常日記にも書きましたが、先週の土曜日に親知らずを抜いたら、ドライソケットという症状を引き起こし、今週一週間ずーっと歯が痛いという状況になっていたのですよ。
もうねー、思考能力が奪われます。
一日過ぎるのが長かったですわ(苦笑)
さて、今回からアノス編です。
つまりあとちょっとで終りです。
そんなこんななのですが、WEB拍手で、大理石のキレイな街ということはソーミーに立ち寄るんですかー? と尋ねていただいて初めて、ソーミーとファーズをごっちゃにしていたことが判明しました。
まあ、大きく問題はなかろう、ということでそのままアップしちゃうことにします。
アノスの首都、ファーズは美しい都市である。
大理石を多用した白い町並み、ステンドグラスからの幻想的な光、祈りの時間に流れる鐘の音。その全てがファリスの栄光をたたえるものであり、ファリス信者が大半を占めるこの国では、その風景は誇りでもある。
逆に言ってしまえば、ファリス信者でなければ、ただ美しいと感じられる町並みであり、それよりも特に冒険者であれば、その堅苦しい雰囲気であるとか、自分たちに向けられる好奇の目であるとか、杓子定規的で全く柔軟性のないシステムであるとか、その他もろもろ不慣れな事が多発して正直やりにくい国である、とも言える。
つまり、オーファンから来た冒険者たちにとって、ファーズの評価は真っ二つになった。
「すばらしいです!」
と何もかもに感動するのは勿論イリーナ。見るもの全てに何となくファリスの正義を感じているような気がする。
ヒースもファリス信者の端くれ、流石に堅苦しさには居心地の悪さも感じるが、ファリスの総本山に来て悪い気はしない。
正直に居心地が悪いのは、他の神を信仰するドワーフの二人組み。
勿論何かがあったわけではないのだが、疎外感を感じないわけではない。特にガルガドの場合、マイリー信仰の厚いオーファンから来たわけで、感じる落差はかなりのものがあった。バスのほうは、その点まだマシで、初めて見る町並みに新たなサーガのタネが無いか探すくらいの余裕はある。
エキューもどちらかといえば、あまりこの街は好きになれなかった。何となくやりづらい、そんな気持ちにさせる街だ、と思う。ついでに言えば、他の街ならまだ冒険者がたくさん居て、エルフやハーフエルフを見る機会もあるのに、この街では冒険者が少ないせいで彼等を見かけないし、エルフにいたっては神を信じない種族、見ることはほぼ絶望的だ。
旅のお楽しみ程度のアクセントだが、それが全く無いのはそれはそれでつまらないというか残念でならないというか。
マウナもどちらかといえば、居心地が悪い。きちんとした服装の人たちが歩いているのは、好感が持てる。しかしその彼等から自分たちに向けられるのは好奇の目であり、さらにはソレがハーフエルフという自分に対する差別の目に感じられてくる。オーファンで自分は随分暖かに接して貰っていたのだな、と感じる。
ちなみにノリスはどちらの感想もあまり抱かなかった。街は綺麗だし、見るものは珍しい。けど、仕事はやりにくそう。まあ、住む事は無いんだし、見物していけばいいか、といったところである。
「久々に来たが、相変わらずだな」
スイフリーが口をへの字にしてぼやく。
「はとこには悪い思い出しかないもんねえ」
「喧しいわ」
そんな会話をよそに、レジィナはオーファンの冒険者たちを見る。
「最初はなれないかもしれないけど、なれちゃえば大した事ないよ。悪い人たちじゃないんだ、悪い人たちじゃ」
「ルールさえ守れば問題ないわよ。あんな目、気にしないでいいのよ」
フィリスはそれとなくマウナを自分の背に隠しながら言う。
「ありがとうございます」
「いいのよ」
「では、私は神殿へ向かいます。イリーナの到着の報告や、その他連絡など済ませてきます」
クレアは硬質な声で宣言する。
「私も神殿見てみたいです」
イリーナの挙手に、クレアは困った顔をした。
「そうですね、一般信者ならただの巡礼として簡単に入ってもらえるのですが……イリーナは正式な客人ですし」
「今回は遠慮しとけ、イリーナ。正式に招待されたときにあっちこっち見て回ればいいだろ」
「……わかりました」
ヒースの言葉にうなずきつつも、非常に残念そうな顔をするイリーナに、クレアは軽く頭を下げる。
「では我々はいつもの宿に居るから。何かあったら連絡してくれたまえ」
「わかりました」
「姉ちゃん、送っていこうか?」
パラサがクレアを見上げる。彼女は少し微笑むと、「大丈夫ですよ」と返答する。パラサは残念そうな顔をしたが、すぐに立ち直る。
「じゃ、またね、にゅ」
■……昨日が金曜日だったんですね(苦笑)
どうも曜日感覚がぬけているというか……。
通常日記にも書きましたが、先週の土曜日に親知らずを抜いたら、ドライソケットという症状を引き起こし、今週一週間ずーっと歯が痛いという状況になっていたのですよ。
もうねー、思考能力が奪われます。
一日過ぎるのが長かったですわ(苦笑)
さて、今回からアノス編です。
つまりあとちょっとで終りです。
そんなこんななのですが、WEB拍手で、大理石のキレイな街ということはソーミーに立ち寄るんですかー? と尋ねていただいて初めて、ソーミーとファーズをごっちゃにしていたことが判明しました。
まあ、大きく問題はなかろう、ということでそのままアップしちゃうことにします。
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