泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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間道ではその後何事もなく、一行は間道を抜けて再び街道に出る。間道への入り口は巧妙に隠されており、一見何もないように見える。
「なるほど、入り口は最初こんな風に隠されていたんだな。そりゃ、探す気がなきゃ見落とすな」
ヒースは納得したように頷くと、イリーナを見た。
「ではイリーナ。入り口が見えるようにこの辺の草を刈っちゃってくれやがりなさい」
「なーんか、納得いかないんですよねー」
言いながらも、イリーナはその大きなグレートソードを構える。
「何を言うか。この道がこのまま隠されていたら、悪事に使用されるかもしれないんだぞ? 邪悪がはびこることの無いよう、先に手を打っておくことも必要というものだ。ファのつく神の神官として、正しい行いと言えるだろう。正直草木が刈られるのを見るのは心が痛いが、ここはひとつ正しい行いのために目を瞑ろうではないか」
スイフリーの流れるような言葉に、イリーナは大きく頷く。
「わかりました! ではこの辺の木々をなぎ倒しておきますね!」
「道なんてどこにあるか関係なく、悪事に使うこともそうでないこともありますよね」
「まだファリスといえないのか」
「なんであの程度で丸め込まれるんだ……」
グイズノーは鼻で笑い、アーチボルトは呆れたようなため息をつく。ヒースは仲間の純粋さと言えば聞こえのいい単純さに思わず泣きまねをする。
三者三様の反応をすべてスイフリーは無視したし、イリーナは木を切るのに忙しく全く話を聞いていなかったが。
たいした時間もかからず、間道に入り口ができる。
「いい仕事をしました! ファリス様も見守ってくれていることでしょう!」
額の汗をぬぐいながら、イリーナが会心の笑顔を見せる。
「俺、イリーナ姉ちゃんをみてて、ファリスがわかんなくなってきたにゅ。姉ちゃんとちょっと違わない?」
パラサが困惑したような複雑な顔で遠くを見る。
「力押しって所ではそう変わらないんじゃないか?」
「正義を貫くために、力が必要なこともあります」
スイフリーの感想に、クレアが言い返す。
「んー、剣を振るう凛々しい姉ちゃんもステキだから、まあ、いいにゅ」
「なるほど、入り口は最初こんな風に隠されていたんだな。そりゃ、探す気がなきゃ見落とすな」
ヒースは納得したように頷くと、イリーナを見た。
「ではイリーナ。入り口が見えるようにこの辺の草を刈っちゃってくれやがりなさい」
「なーんか、納得いかないんですよねー」
言いながらも、イリーナはその大きなグレートソードを構える。
「何を言うか。この道がこのまま隠されていたら、悪事に使用されるかもしれないんだぞ? 邪悪がはびこることの無いよう、先に手を打っておくことも必要というものだ。ファのつく神の神官として、正しい行いと言えるだろう。正直草木が刈られるのを見るのは心が痛いが、ここはひとつ正しい行いのために目を瞑ろうではないか」
スイフリーの流れるような言葉に、イリーナは大きく頷く。
「わかりました! ではこの辺の木々をなぎ倒しておきますね!」
「道なんてどこにあるか関係なく、悪事に使うこともそうでないこともありますよね」
「まだファリスといえないのか」
「なんであの程度で丸め込まれるんだ……」
グイズノーは鼻で笑い、アーチボルトは呆れたようなため息をつく。ヒースは仲間の純粋さと言えば聞こえのいい単純さに思わず泣きまねをする。
三者三様の反応をすべてスイフリーは無視したし、イリーナは木を切るのに忙しく全く話を聞いていなかったが。
たいした時間もかからず、間道に入り口ができる。
「いい仕事をしました! ファリス様も見守ってくれていることでしょう!」
額の汗をぬぐいながら、イリーナが会心の笑顔を見せる。
「俺、イリーナ姉ちゃんをみてて、ファリスがわかんなくなってきたにゅ。姉ちゃんとちょっと違わない?」
パラサが困惑したような複雑な顔で遠くを見る。
「力押しって所ではそう変わらないんじゃないか?」
「正義を貫くために、力が必要なこともあります」
スイフリーの感想に、クレアが言い返す。
「んー、剣を振るう凛々しい姉ちゃんもステキだから、まあ、いいにゅ」
その後も旅は順調に続く。
エレミア・オランを抜け、アノスへの街道を順調に進んでいるところだ。
その道中は穏やかなものだった。街道をただ歩いてきただけだから、せいぜい山賊や山犬、蛇くらいが相手だったからだ。もちろん、相手にはならない。
オランでは数日滞在したが、大して変わったことは無かった。オーファンの冒険者たちにとっては初めての街だったから、見るもの聞くもの新しく随分楽しんだようだった。
もちろん、アーチボルトは誰も実家に寄せ付けなかったし、フィリスは実家に寄り付かなかった。
そのような経緯を経て、アノスへの道を進んでいる。
「そろそろアノスですね! ああ、どんな都なのでしょう! きっとファリス様の栄光に満ち溢れているんでしょうねー」
憧れの土地が近づくにつれてイリーナのテンションはどんどん上がる一方だ。
「まあ、そうだな、ファリス信者ばかりだからなあ」
スイフリーがげんなりした顔でため息をつく。
「アノスの都はファーズですよね!」
「お、イリーナ、ちゃんと知ってるとは珍しい」
意外、という表情でヒースはイリーナを見た。いつもなら鉄拳が飛んでくるような言葉だったのだが、機嫌がいいのか気にしなかったのか、ともかく鉄拳は飛ばなかった。
「ファーズって、どんなところ?」
ノリスの質問にクレアが答える。
「取り立てて変わったところはありませんよ」
「へえ」
「そんなことは無い」
スイフリーが苦い声で言う。
「とりあえず、全体的に白い。大理石が使われた建物が多いからだ。道を歩けば居るのはファリス信者ばかり。商売する気がないのか威圧的な店員。格式にばかりこだわって流動的でないシステム。どこが普通だ」
「何か、大変そうなところだね」
ノリスが顔を顰める。
「名物はアノスまんじゅう、1こ1ガメルにゅ。ただ見るだけなら綺麗な街にゅ」
「他の名物っていえば、見つけられない友愛団だとか、音楽堂?」
「友愛団は名物じゃないにゅ」
「それより先に大聖堂とかあげるべきじゃないですかね?」
パラサとフィリスの掛け合いに、グイズノーが苦笑する。
「ああ、初めてだとちょっと面食らうかもしれないが、宿にとまるときは武器を預けるシステムだ」
アーチボルトの言葉に、イリーナは途端に嫌そうな顔をする。
「えええええ、武器を預けるんですか!? グレートソードを!?」
「不都合でも?」
クレアがきょとんとイリーナをみる。
「うー、うー、確かに法皇様のいらっしゃる街で武器をふりまわすのは……でもグレートソードと離れるのも……」
「……あんな金属の塊、もてる店員がいるのだろうか」
「オレが何人集まったらもてるかなあ? 1ダースくらい?」
「わたし3人でもきびしいかもしれん」
「わたくしなら2人……いえ、3人必要ですかね」
パラサとスイフリー、そしてグイズノーがイリーナのグレートソードを見てため息をついた。
「みなさんが非力なだけですよ!」
「や、それは絶対無い」
エレミア・オランを抜け、アノスへの街道を順調に進んでいるところだ。
その道中は穏やかなものだった。街道をただ歩いてきただけだから、せいぜい山賊や山犬、蛇くらいが相手だったからだ。もちろん、相手にはならない。
オランでは数日滞在したが、大して変わったことは無かった。オーファンの冒険者たちにとっては初めての街だったから、見るもの聞くもの新しく随分楽しんだようだった。
もちろん、アーチボルトは誰も実家に寄せ付けなかったし、フィリスは実家に寄り付かなかった。
そのような経緯を経て、アノスへの道を進んでいる。
「そろそろアノスですね! ああ、どんな都なのでしょう! きっとファリス様の栄光に満ち溢れているんでしょうねー」
憧れの土地が近づくにつれてイリーナのテンションはどんどん上がる一方だ。
「まあ、そうだな、ファリス信者ばかりだからなあ」
スイフリーがげんなりした顔でため息をつく。
「アノスの都はファーズですよね!」
「お、イリーナ、ちゃんと知ってるとは珍しい」
意外、という表情でヒースはイリーナを見た。いつもなら鉄拳が飛んでくるような言葉だったのだが、機嫌がいいのか気にしなかったのか、ともかく鉄拳は飛ばなかった。
「ファーズって、どんなところ?」
ノリスの質問にクレアが答える。
「取り立てて変わったところはありませんよ」
「へえ」
「そんなことは無い」
スイフリーが苦い声で言う。
「とりあえず、全体的に白い。大理石が使われた建物が多いからだ。道を歩けば居るのはファリス信者ばかり。商売する気がないのか威圧的な店員。格式にばかりこだわって流動的でないシステム。どこが普通だ」
「何か、大変そうなところだね」
ノリスが顔を顰める。
「名物はアノスまんじゅう、1こ1ガメルにゅ。ただ見るだけなら綺麗な街にゅ」
「他の名物っていえば、見つけられない友愛団だとか、音楽堂?」
「友愛団は名物じゃないにゅ」
「それより先に大聖堂とかあげるべきじゃないですかね?」
パラサとフィリスの掛け合いに、グイズノーが苦笑する。
「ああ、初めてだとちょっと面食らうかもしれないが、宿にとまるときは武器を預けるシステムだ」
アーチボルトの言葉に、イリーナは途端に嫌そうな顔をする。
「えええええ、武器を預けるんですか!? グレートソードを!?」
「不都合でも?」
クレアがきょとんとイリーナをみる。
「うー、うー、確かに法皇様のいらっしゃる街で武器をふりまわすのは……でもグレートソードと離れるのも……」
「……あんな金属の塊、もてる店員がいるのだろうか」
「オレが何人集まったらもてるかなあ? 1ダースくらい?」
「わたし3人でもきびしいかもしれん」
「わたくしなら2人……いえ、3人必要ですかね」
パラサとスイフリー、そしてグイズノーがイリーナのグレートソードを見てため息をついた。
「みなさんが非力なだけですよ!」
「や、それは絶対無い」
■オラン―アノス間の街道の名前って、何だっけ?
ま、いいや。
次回からアノス編!
ま、いいや。
次回からアノス編!
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