泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
歩き始めて暫らく。
「どうしてあの家がルキアルの策略だと思ったのだ?」
一行の中程を歩くスイフリーにガルガドは尋ねる。
「単に魔物がいただけ、という可能性は考えなかったのか? 手がかりはなかったはずだが……」
「私も知りたいです!」
しゅた、と右手を挙げてイリーナが会話に参加する。スイフリーは面倒くさそうに二人を見た。
「長くなるぞ?」
「かまわん。どうせ時間はたっぷりあるからの」
「なるべく分かりやすくお願いします!」
二人の答えに、スイフリーは大きくため息をついてから、話し始める。
「あの家が何物か考えた。単なる魔物なのか、策略で用意されたのか。いつ使えるとも分からない危険なものを策略で用意するのはリスクが高すぎる。と、いうことは、もとからあったのだろう。となると、これはなぜここにある。道は使われてないが、整備されたあとがある。つまり家は最初は普通だったが途中からおかしくなった。理由はどうだっていい」
「まあ、理由に関係なく、存在するからの」
ガルガドは大きく頷いた。
スイフリーはそれを見て続ける。
「となると、この家は邪魔なはず。さっきも言ったが、間道が使えれば戦略上有利なのに、使えないのだからな。では、邪魔なものはどうしたい?」
「邪魔な邪悪なものは排除あるのみです!」
力強い回答に、スイフリーは一瞬引きつったような笑みを浮かべて、それから真顔になる。
「そうだな。コレが自分の国にあったらどうするか想像してみた。邪魔なものは取り除きたいはずだ。しかしできていない。つまり、この家はそれなりに強いか、厄介な能力があるということになる。となると、それなりに力がある者が行くしかない。しかしそれはリスクが高い。必ず家を排除できるとは限らないからだ。そうなったとき、力を持ったものが居なくなってしまう」
二人が大きく頷いたのを見て、スイフリーは一度大きく息を吐いてから更に続ける。
「そこへ力があって邪魔な奴が通りかかった。そうしたら、そいつらを使えばいい。どっちがなくなっても、自分にとっては利益だ。さて、コレで大体考えはまとまった。わたしがこの程度考えるのだから、あのお方も似たようなことを考えるだろう。可能性は最初に立ち返って2つ。魔物か策略か。まあ、策略で考えたほうが安全だからここまでそっちで考えてきたわけだが」
「安全ですか?」
「警戒をしている、ということだろう」
首をかしげるイリーナに、ガルガドが解説する。
「単なる魔物である場合、見張りは居ない。策略によってこちらが動かされたのであれば、結果を見届けている者がいるはずだ。だとしたら、くり返しになるが、何処かに見届けている奴がいると考えたほうが安全側。だから、家から出たらすぐに周囲を警戒、とはとこに伝えた。そしたら本当に斥候がいた。あとはそいつをつかまえて答えあわせをするだけだ。ちょっとハッタリかまして問い詰めたら、案外あっさり認めてくれて、その辺はラッキーだったな」
「つまり、どういうことですか?」
「悪いほうに悪いほうに考えていったら、当たった、ということだの」
「我々は冒険者。危険を売りつけられるのが商売だ。そこを生き残ろうというのだから、常に最悪パターンを考えておくのが安全というものだ」
途中でついていけなくなったのか首を傾げるイリーナと、どちらに呆れているのか、ともかく呆れたような声を出すガルガド。そしてそれに対して反論になっているのかいないのか、微妙な返答をするスイフリー。
「まあ、無事だったんだから、筋道なんてどうでもいいじゃない」
能天気な声で言うノリスに、ガルガドは大きなため息をつく。
「有能なシーフがほしい……」
■書いてる最中に、スイフリーが何を言いたいのか理解できなくなった、なんて秘密だったら秘密だ。
■宣伝。
この一個前の記事に、一日遅れで「ラブシック」更新してあります。
気になっている方はそちらも合わせてどうぞ。
「どうしてあの家がルキアルの策略だと思ったのだ?」
一行の中程を歩くスイフリーにガルガドは尋ねる。
「単に魔物がいただけ、という可能性は考えなかったのか? 手がかりはなかったはずだが……」
「私も知りたいです!」
しゅた、と右手を挙げてイリーナが会話に参加する。スイフリーは面倒くさそうに二人を見た。
「長くなるぞ?」
「かまわん。どうせ時間はたっぷりあるからの」
「なるべく分かりやすくお願いします!」
二人の答えに、スイフリーは大きくため息をついてから、話し始める。
「あの家が何物か考えた。単なる魔物なのか、策略で用意されたのか。いつ使えるとも分からない危険なものを策略で用意するのはリスクが高すぎる。と、いうことは、もとからあったのだろう。となると、これはなぜここにある。道は使われてないが、整備されたあとがある。つまり家は最初は普通だったが途中からおかしくなった。理由はどうだっていい」
「まあ、理由に関係なく、存在するからの」
ガルガドは大きく頷いた。
スイフリーはそれを見て続ける。
「となると、この家は邪魔なはず。さっきも言ったが、間道が使えれば戦略上有利なのに、使えないのだからな。では、邪魔なものはどうしたい?」
「邪魔な邪悪なものは排除あるのみです!」
力強い回答に、スイフリーは一瞬引きつったような笑みを浮かべて、それから真顔になる。
「そうだな。コレが自分の国にあったらどうするか想像してみた。邪魔なものは取り除きたいはずだ。しかしできていない。つまり、この家はそれなりに強いか、厄介な能力があるということになる。となると、それなりに力がある者が行くしかない。しかしそれはリスクが高い。必ず家を排除できるとは限らないからだ。そうなったとき、力を持ったものが居なくなってしまう」
二人が大きく頷いたのを見て、スイフリーは一度大きく息を吐いてから更に続ける。
「そこへ力があって邪魔な奴が通りかかった。そうしたら、そいつらを使えばいい。どっちがなくなっても、自分にとっては利益だ。さて、コレで大体考えはまとまった。わたしがこの程度考えるのだから、あのお方も似たようなことを考えるだろう。可能性は最初に立ち返って2つ。魔物か策略か。まあ、策略で考えたほうが安全だからここまでそっちで考えてきたわけだが」
「安全ですか?」
「警戒をしている、ということだろう」
首をかしげるイリーナに、ガルガドが解説する。
「単なる魔物である場合、見張りは居ない。策略によってこちらが動かされたのであれば、結果を見届けている者がいるはずだ。だとしたら、くり返しになるが、何処かに見届けている奴がいると考えたほうが安全側。だから、家から出たらすぐに周囲を警戒、とはとこに伝えた。そしたら本当に斥候がいた。あとはそいつをつかまえて答えあわせをするだけだ。ちょっとハッタリかまして問い詰めたら、案外あっさり認めてくれて、その辺はラッキーだったな」
「つまり、どういうことですか?」
「悪いほうに悪いほうに考えていったら、当たった、ということだの」
「我々は冒険者。危険を売りつけられるのが商売だ。そこを生き残ろうというのだから、常に最悪パターンを考えておくのが安全というものだ」
途中でついていけなくなったのか首を傾げるイリーナと、どちらに呆れているのか、ともかく呆れたような声を出すガルガド。そしてそれに対して反論になっているのかいないのか、微妙な返答をするスイフリー。
「まあ、無事だったんだから、筋道なんてどうでもいいじゃない」
能天気な声で言うノリスに、ガルガドは大きなため息をつく。
「有能なシーフがほしい……」
■書いてる最中に、スイフリーが何を言いたいのか理解できなくなった、なんて秘密だったら秘密だ。
■宣伝。
この一個前の記事に、一日遅れで「ラブシック」更新してあります。
気になっている方はそちらも合わせてどうぞ。
PR
この記事にコメントする