泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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青い小鳩亭に「いつもどおり」が戻ってきた。
つまりは、マウナがウェイトレスとして忙しく働き、偉そうな魔術師がレアな焼き鳥を注文しては頭をはたかれ、豪華な食事を楽しむ能天気なシーフが居て、目をハートにして輝かせる傭兵が居て、ファリス神官が地響きとともに現れ、マイリー神官がシーフを見てはため息をつき、王宮にいつ招かれてもおかしくない吟遊詩人が歌を朗々と歌い上げる、そんな日常だ。
彼らが居なかったほぼ半年の時間にも、ここでは時間が流れていたはずだったが、それを感じさせない暖かさが小鳩亭にはあったし、それが彼らを安心させているのだろう。
「今回の旅のこと、やっぱり歌にするの?」
パンを口に放り込みながら、ノリスがバスにたずねる。
「そうですな。ファリスの猛女、聖地に赴く。いい題材です」
「あの屋敷のことも?」
「それはまだ迷っております。罠にはまった冒険者たちが機転を利かせて脱出する、というのはなかなか魅力的な題材ですが、何せ相手が相手ですし」
「ああ、そうだなー」
バスの返答に、ヒースが頷く。
「軍師がどうの、は言いにくいわなー」
「途中で通った国々の見聞を曲にすることは出来ますし、アノスの英雄たちの話も作ることはできますし、勿論、イリーナの法王様との謁見も題材になりますし、新しい曲はいくらでも作れますぞ」
「じゃあ、新曲リサイタルやらなきゃね!」
新しい曲も勿論楽しみだが、それに付随する副収入にマウナは目を輝かせる。
「そういえば、マウナが最後に貰った包みって何だったんですか? フィリスさんに頂いていたやつ」
「ああ? あれ?」
マウナの顔が笑顔になる。朗らかな笑顔ではなく、どことなく締りの悪い笑顔であることから、なんとなく内容は知れた気がしないでもない。
「小鳩亭がね、一回火事でなくなって再建されたっていうのを調べてくれてたみたいでね、再建したあとも大変だろうからって、寄付金だったのよー。あとねえー、キレイなブローチだとかー」
「何で私にはそういうのないんでしょう」
ほくほくとした笑顔のマウナに、イリーナは恨めしい顔をする。
「って言っても、再建費用は家にだから私のじゃないのよ」
「でもブローチを頂いたんでしょう?」
「イリーナの分も入ってたわよ」
そういいながら、マウナはポケットから小さな包みを出す。イリーナは受け取って中を確かめると、満面の笑みを浮かべた。
「ファリス様の聖印です! キレイー」
「馬子にも衣装ってところだな」
「ぬか喜びの地への片道切符、プレゼントしましょうか? 兄さん」
「とっても良くお似合いでございますイリーナサン」
カクカクと体を揺らしながら答えるヒースに、一同は笑顔を見せる。
「なんか、帰って来たーって感じがします」
「そうねー、アノスはキレイだったし、オランも面白かったし、途中ドキドキしたし楽しかったけど、やっぱりココが一番ねー」
イリーナの言葉に、マウナが頷く。
そんな話をしていると、全員の前にエールの入ったジョッキが並べられた。
「お母さん?」
マウナが見上げると、彼女は笑顔で「わたしたちからだよ」と答えてウインクする。
「えー、ではー」
ヒースが立ち上がり、全員を見回した。そして咳払いすると口を開く。
「俺様たちの無事の帰還とー、イリーナの野望達成ー、ほかー、諸々を祝しましてー」
そこで全員がジョッキを持ち、にま、と笑いあう。
「かんぱーい」
バスの試作の新曲を聞きながら、彼らはまたコレまでどおりの日常に戻って行く。
新しい冒険へと。
「次は西部諸国の五大神祭りですねー」
■なんか、泡さんたちの後日談を描くと蛇足な気がするので、泡パートは書きません。
と、いうわけで、「泡ぽこ」は、本日、73話にて最終回!(笑)
中途半端!
とはいえ、長々とお付き合いありがとうございました。
次はとりあえずアチフィリを模索しようとおもってます。
そして泡ぽこパート2は、現在のんびり考え中。
キーワードはごちゃごちゃ、ゲート、ハードロックに幻の塔。
……ほんとにそんな話になるのか!?(笑)
つまりは、マウナがウェイトレスとして忙しく働き、偉そうな魔術師がレアな焼き鳥を注文しては頭をはたかれ、豪華な食事を楽しむ能天気なシーフが居て、目をハートにして輝かせる傭兵が居て、ファリス神官が地響きとともに現れ、マイリー神官がシーフを見てはため息をつき、王宮にいつ招かれてもおかしくない吟遊詩人が歌を朗々と歌い上げる、そんな日常だ。
彼らが居なかったほぼ半年の時間にも、ここでは時間が流れていたはずだったが、それを感じさせない暖かさが小鳩亭にはあったし、それが彼らを安心させているのだろう。
「今回の旅のこと、やっぱり歌にするの?」
パンを口に放り込みながら、ノリスがバスにたずねる。
「そうですな。ファリスの猛女、聖地に赴く。いい題材です」
「あの屋敷のことも?」
「それはまだ迷っております。罠にはまった冒険者たちが機転を利かせて脱出する、というのはなかなか魅力的な題材ですが、何せ相手が相手ですし」
「ああ、そうだなー」
バスの返答に、ヒースが頷く。
「軍師がどうの、は言いにくいわなー」
「途中で通った国々の見聞を曲にすることは出来ますし、アノスの英雄たちの話も作ることはできますし、勿論、イリーナの法王様との謁見も題材になりますし、新しい曲はいくらでも作れますぞ」
「じゃあ、新曲リサイタルやらなきゃね!」
新しい曲も勿論楽しみだが、それに付随する副収入にマウナは目を輝かせる。
「そういえば、マウナが最後に貰った包みって何だったんですか? フィリスさんに頂いていたやつ」
「ああ? あれ?」
マウナの顔が笑顔になる。朗らかな笑顔ではなく、どことなく締りの悪い笑顔であることから、なんとなく内容は知れた気がしないでもない。
「小鳩亭がね、一回火事でなくなって再建されたっていうのを調べてくれてたみたいでね、再建したあとも大変だろうからって、寄付金だったのよー。あとねえー、キレイなブローチだとかー」
「何で私にはそういうのないんでしょう」
ほくほくとした笑顔のマウナに、イリーナは恨めしい顔をする。
「って言っても、再建費用は家にだから私のじゃないのよ」
「でもブローチを頂いたんでしょう?」
「イリーナの分も入ってたわよ」
そういいながら、マウナはポケットから小さな包みを出す。イリーナは受け取って中を確かめると、満面の笑みを浮かべた。
「ファリス様の聖印です! キレイー」
「馬子にも衣装ってところだな」
「ぬか喜びの地への片道切符、プレゼントしましょうか? 兄さん」
「とっても良くお似合いでございますイリーナサン」
カクカクと体を揺らしながら答えるヒースに、一同は笑顔を見せる。
「なんか、帰って来たーって感じがします」
「そうねー、アノスはキレイだったし、オランも面白かったし、途中ドキドキしたし楽しかったけど、やっぱりココが一番ねー」
イリーナの言葉に、マウナが頷く。
そんな話をしていると、全員の前にエールの入ったジョッキが並べられた。
「お母さん?」
マウナが見上げると、彼女は笑顔で「わたしたちからだよ」と答えてウインクする。
「えー、ではー」
ヒースが立ち上がり、全員を見回した。そして咳払いすると口を開く。
「俺様たちの無事の帰還とー、イリーナの野望達成ー、ほかー、諸々を祝しましてー」
そこで全員がジョッキを持ち、にま、と笑いあう。
「かんぱーい」
バスの試作の新曲を聞きながら、彼らはまたコレまでどおりの日常に戻って行く。
新しい冒険へと。
「次は西部諸国の五大神祭りですねー」
■なんか、泡さんたちの後日談を描くと蛇足な気がするので、泡パートは書きません。
と、いうわけで、「泡ぽこ」は、本日、73話にて最終回!(笑)
中途半端!
とはいえ、長々とお付き合いありがとうございました。
次はとりあえずアチフィリを模索しようとおもってます。
そして泡ぽこパート2は、現在のんびり考え中。
キーワードはごちゃごちゃ、ゲート、ハードロックに幻の塔。
……ほんとにそんな話になるのか!?(笑)
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