泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「これで最後です」
倒れたゴブリンにとどめをさして、イリーナは宣言する。
「うむ、ご苦労であった」
大仰に頷くヒースの後頭部を軽くはたいてから、マウナはあたりを見回す。
「それにしても、何でこんな簡単な依頼が私たちにまわってきたのかしら?」
駆け出しの頃こそ依頼を失敗したりもしたが、現在は冒険者の国オーファンで押しも押されもせぬ実力を持ったパーティーに成長した自分たち。ゴブリンやコボルトが相手になるような依頼は、もっと駆け出しに与えられる依頼のはずだ。
「おばちゃんいわく、駆け出しのパーティーが逃げ出してきたって話だ。しかも一人面子がかけてな」
「嫌な感じね、何か別のものもいるのかしら」
「なんだかコボルトたちの数も少ないですしね」
「まあ、何か居ようが居まいが、イリーナが全部粉砕だ」
「兄さんも働いてください」
言いながらイリーナがガスリとヒースの後頭部を叩く。しばらくヒースは後頭部を押さえて悶絶していたが、誰も気にはしない。
「奥の方に道が続いてるよー」
現在居るところは、洞窟の中でも少し広くなり、部屋のようになっている場所。まだ進んでいない奥側に道があるらしいことをノリスが告げる。
「とりあえず進むか。何があるかちゃんと確認せにゃ、報酬もらえんからな。ちょろい依頼だからまあ、額は期待できないが」
「邪悪を倒し、困った人を助けるんです、額なんてどうでもいいじゃないですか」
「新しいグレートソード」
「……額も重要です」
主張にぼそりと突っ込まれたイリーナが少し言葉を訂正する。
しばらく進んで行く。洞窟の道は細く、ごつごつとした岩がむき出しになっている。どうみても人工に出来た洞窟には見えないが、時折壊れたつるはしらしいものがうち捨てられているところから見て、もしかするとゴブリンやコボルトが人里から奪ってきた道具で拡張工事をしていたのかもしれない。
「むむぅ、コボルトのクセに、もしかしたらイリーナより賢いんじゃないか?」
「兄さん、ぬか喜びの国への片道切符をプレゼントしましょうか?」
「冗談じゃないですカー、イリーナサン」
荒く削られた道を進んでいくと、唐突に舗装された床が現れる。細く通りにくかった道も広まり、天井も高い。どう見ても人の手が入った洞窟である。
「なんだろうね、人が作った洞窟みたいだけど」
ノリスが首を傾げる。
「おおむね、コボルトたちが適当に道を掘り進んで昔の遺跡を掘り当てたってトコだろ? ……結構古そうだな。古代魔法王国の名残かもしれん。とはいえ、珍しい感じもしない」
ヒースはあたりを見て肩をすくめる。それと言って研究に役立ちそうにもないから、興味はほとんどない。
「これってさ、掘り進んだ先にマズいモノがいたってことじゃない?」
「ああ、それでコボルトの数は少ないわ、駆け出しが逃げ帰ってくるわってことかー」
エキューの指摘に、ノリスが能天気に笑いながら答える。
「……」
そしてお互いに顔を見合う。
「……あれもしかして、それって俺様たちもやばいかもしれんってことか?」
「駆け出しとはいえ、面子が一人かけたんだよね?」
「死亡者出ちゃってる洞窟だったね、そういえば。魔物が弱いから安心してたけど」
力なく笑いあう。
そして表情を引き締めた。
「よし、皆の衆、心してかかれ」
「アンタも働けー!」
■1月くらい先とか言いつつ、初回は今日アップしてみましたぜー。
ゴールデンウィークなので。なんとなく。
とはいえ、次回はもうちょっと先ということで。現在4話を書いてます。全然先に進んでません。
久しぶりに書いたから書き方が判らない。というのが一番ネックだ(笑)
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倒れたゴブリンにとどめをさして、イリーナは宣言する。
「うむ、ご苦労であった」
大仰に頷くヒースの後頭部を軽くはたいてから、マウナはあたりを見回す。
「それにしても、何でこんな簡単な依頼が私たちにまわってきたのかしら?」
駆け出しの頃こそ依頼を失敗したりもしたが、現在は冒険者の国オーファンで押しも押されもせぬ実力を持ったパーティーに成長した自分たち。ゴブリンやコボルトが相手になるような依頼は、もっと駆け出しに与えられる依頼のはずだ。
「おばちゃんいわく、駆け出しのパーティーが逃げ出してきたって話だ。しかも一人面子がかけてな」
「嫌な感じね、何か別のものもいるのかしら」
「なんだかコボルトたちの数も少ないですしね」
「まあ、何か居ようが居まいが、イリーナが全部粉砕だ」
「兄さんも働いてください」
言いながらイリーナがガスリとヒースの後頭部を叩く。しばらくヒースは後頭部を押さえて悶絶していたが、誰も気にはしない。
「奥の方に道が続いてるよー」
現在居るところは、洞窟の中でも少し広くなり、部屋のようになっている場所。まだ進んでいない奥側に道があるらしいことをノリスが告げる。
「とりあえず進むか。何があるかちゃんと確認せにゃ、報酬もらえんからな。ちょろい依頼だからまあ、額は期待できないが」
「邪悪を倒し、困った人を助けるんです、額なんてどうでもいいじゃないですか」
「新しいグレートソード」
「……額も重要です」
主張にぼそりと突っ込まれたイリーナが少し言葉を訂正する。
しばらく進んで行く。洞窟の道は細く、ごつごつとした岩がむき出しになっている。どうみても人工に出来た洞窟には見えないが、時折壊れたつるはしらしいものがうち捨てられているところから見て、もしかするとゴブリンやコボルトが人里から奪ってきた道具で拡張工事をしていたのかもしれない。
「むむぅ、コボルトのクセに、もしかしたらイリーナより賢いんじゃないか?」
「兄さん、ぬか喜びの国への片道切符をプレゼントしましょうか?」
「冗談じゃないですカー、イリーナサン」
荒く削られた道を進んでいくと、唐突に舗装された床が現れる。細く通りにくかった道も広まり、天井も高い。どう見ても人の手が入った洞窟である。
「なんだろうね、人が作った洞窟みたいだけど」
ノリスが首を傾げる。
「おおむね、コボルトたちが適当に道を掘り進んで昔の遺跡を掘り当てたってトコだろ? ……結構古そうだな。古代魔法王国の名残かもしれん。とはいえ、珍しい感じもしない」
ヒースはあたりを見て肩をすくめる。それと言って研究に役立ちそうにもないから、興味はほとんどない。
「これってさ、掘り進んだ先にマズいモノがいたってことじゃない?」
「ああ、それでコボルトの数は少ないわ、駆け出しが逃げ帰ってくるわってことかー」
エキューの指摘に、ノリスが能天気に笑いながら答える。
「……」
そしてお互いに顔を見合う。
「……あれもしかして、それって俺様たちもやばいかもしれんってことか?」
「駆け出しとはいえ、面子が一人かけたんだよね?」
「死亡者出ちゃってる洞窟だったね、そういえば。魔物が弱いから安心してたけど」
力なく笑いあう。
そして表情を引き締めた。
「よし、皆の衆、心してかかれ」
「アンタも働けー!」
■1月くらい先とか言いつつ、初回は今日アップしてみましたぜー。
ゴールデンウィークなので。なんとなく。
とはいえ、次回はもうちょっと先ということで。現在4話を書いてます。全然先に進んでません。
久しぶりに書いたから書き方が判らない。というのが一番ネックだ(笑)
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