泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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暫らく、大剣を持った少女たちは無言で相手を見据えあう。
技量は互角。
身体能力はイリーナに分があるぶん、少しイリーナのほうが有利になるだろう。レジィナは装備品でこそイリーナを凌駕するが、身体能力はいたって平凡だ。
(さて、どうしようかな)
レジィナは考える。普通にやっていては、勝負は決まらないだろう。
自分は確かにイリーナより身体能力は劣る。しかしその差を埋めてあまりある装備品を持っている。でも、そのおかげで勝った、とは言われたくないし思いたくもない。
誰の目に見ても鮮やかに「勝った」と思えるような勝ち方でなければ意味はない。
(どうすればいいでしょう)
同じくイリーナも考える。あまり思考は得意ではないが、全く考えないで突っ込んでいけば、いつか自滅するということは分かる。相手のレジィナは、技量ではほぼ互角だ。しかし、いい大剣を持っている。そしていい鎧を着ている。自分の物だってこの世にまたとない逸品であるのは間違いない。しかし、レジィナのものは、それとはまた違う。今となっては手に入らない貴重なものだろう。そのせいで負けた、なんて絶対に嫌だ。
自分の能力ではどうしようもないところで、勝負がつくのでは意味が無い。
息を一度大きく吸い込むと、イリーナは気合とともに声を上げ、前へ大きく踏み込むと、大剣を振り下ろす。人の持てる限界を超えた、鉄の塊ともいえる剣が、その重みに加え技量も伴って、恐ろしいまでの速さで振り下ろされる。空気が切り裂かれる低い音。
確実に、切っ先は首に向かっていく。
レジィナは避けるために体をひねり、そしてバランスを崩しよろめいた。
「お姉ちゃん!」
リズの声に反応するように、レジィナの剣が動く。バランスを崩した彼女の持つ剣は、ちょうど振り上げられてイリーナの首筋に迫った。
互いに首筋にぴたりと剣を向けたまま、再び彼女たちはにらみ合う。
既に手加減であるとか、試合であるとかいう概念はヒートアップした彼女たちの脳裏には残っていないように見えた。
ふう、と誰かが大きく息を吐いたのが聞こえた。
「そこまでにしとけ」
宣言したのはガルガドだ。
「これ以上続けると、どっちかが死んでしまう」
その声が聞こえていないのか、それとも無視しているのか、二人はまだ動かない。
「終わりだって言ってるぞーイリーナ」
「嫌です」
ヒースが呆れたように声をかけると、イリーナからは明確に拒否の返事が返される。
「お前いい加減に……」
再びヒースが何か言おうと口を開いたとたん、二人がまた動いた。
互いに体を相手の剣先をかわすようにひねりつつ、その切っ先で相手に切りかかる。
その刃は、互いの肩に浅い傷をつけ、血を流させる。
同時に、イリーナはバックステップでレジィナから間合いを取り、レジィナは飛び起きる。
そしてまた、剣を構えて見据えあう。
「やめろって! おやっさんも止めただろ!」
「兄さんは黙っててください! 戦いのことも分からないくせに!」
少し鋭さを増したヒースの声に、イリーナの反論。
「いよいよやばくなったらホールドでもかけろ」
小さな声でアーチボルトがスイフリーに言う。
「恨まれるから嫌だ。あっちの精霊使いに頼め」
スイフリーは半瞳になって即答する。
「もしくはお前が止めに行け」
「純粋に一対一なら多分勝てるが、二人相手はキツイ無理だ」
「なら見守るかしかないだろう」
既に観客たちのほうは、どちらかが倒れるまでこの戦いは終わらないのだろうと予測していた。下手をするとどちらかが死ぬかもしれないのだが、それを上手く止める術も思いつけない。ただ「止める」だけなら方法もなくはないが、スイフリーの言うように恨まれるだけだ。
「全くあほらしい。だから止めたのに」
観客の意図など、全く解せず二人は向き合う。
とはいえ、左肩からの出血は二人を焦らせるには十分なものであった。互いに実力もあれば、さらに扱う大剣もすばらしい切れ味を持っている。浅く斬らせたつもりでも、随分な傷になっていた。腕を伝う血は剣を握る手を滑らせるし、力だって入れづらい。出血が長引けば、腕の感覚も鈍るし体温も下がる。
(次の一撃くらいが、ラスト)
気合とともにイリーナの剣が振り下ろされる。
ぎりぎりのところにまでひきつけ、それから身をかわす。
(避けた!)
(かわされた!)
レジィナの顔に笑みが、そしてイリーナの顔に焦りが、それぞれはっきりと映し出される。
「だぁあ!」
おおよそ乙女ではない声とともに、レジィナの剣がイリーナの鎧の胴を捉えた。鈍い音とともに、金属同士がぶつかり合い火花が散った。
■次回は試合後。
どうかな? レジィナ活躍できた? 会長!
活躍できてなくても、もう知らないからね! 無理だからね!(笑)
技量は互角。
身体能力はイリーナに分があるぶん、少しイリーナのほうが有利になるだろう。レジィナは装備品でこそイリーナを凌駕するが、身体能力はいたって平凡だ。
(さて、どうしようかな)
レジィナは考える。普通にやっていては、勝負は決まらないだろう。
自分は確かにイリーナより身体能力は劣る。しかしその差を埋めてあまりある装備品を持っている。でも、そのおかげで勝った、とは言われたくないし思いたくもない。
誰の目に見ても鮮やかに「勝った」と思えるような勝ち方でなければ意味はない。
(どうすればいいでしょう)
同じくイリーナも考える。あまり思考は得意ではないが、全く考えないで突っ込んでいけば、いつか自滅するということは分かる。相手のレジィナは、技量ではほぼ互角だ。しかし、いい大剣を持っている。そしていい鎧を着ている。自分の物だってこの世にまたとない逸品であるのは間違いない。しかし、レジィナのものは、それとはまた違う。今となっては手に入らない貴重なものだろう。そのせいで負けた、なんて絶対に嫌だ。
自分の能力ではどうしようもないところで、勝負がつくのでは意味が無い。
息を一度大きく吸い込むと、イリーナは気合とともに声を上げ、前へ大きく踏み込むと、大剣を振り下ろす。人の持てる限界を超えた、鉄の塊ともいえる剣が、その重みに加え技量も伴って、恐ろしいまでの速さで振り下ろされる。空気が切り裂かれる低い音。
確実に、切っ先は首に向かっていく。
レジィナは避けるために体をひねり、そしてバランスを崩しよろめいた。
「お姉ちゃん!」
リズの声に反応するように、レジィナの剣が動く。バランスを崩した彼女の持つ剣は、ちょうど振り上げられてイリーナの首筋に迫った。
互いに首筋にぴたりと剣を向けたまま、再び彼女たちはにらみ合う。
既に手加減であるとか、試合であるとかいう概念はヒートアップした彼女たちの脳裏には残っていないように見えた。
ふう、と誰かが大きく息を吐いたのが聞こえた。
「そこまでにしとけ」
宣言したのはガルガドだ。
「これ以上続けると、どっちかが死んでしまう」
その声が聞こえていないのか、それとも無視しているのか、二人はまだ動かない。
「終わりだって言ってるぞーイリーナ」
「嫌です」
ヒースが呆れたように声をかけると、イリーナからは明確に拒否の返事が返される。
「お前いい加減に……」
再びヒースが何か言おうと口を開いたとたん、二人がまた動いた。
互いに体を相手の剣先をかわすようにひねりつつ、その切っ先で相手に切りかかる。
その刃は、互いの肩に浅い傷をつけ、血を流させる。
同時に、イリーナはバックステップでレジィナから間合いを取り、レジィナは飛び起きる。
そしてまた、剣を構えて見据えあう。
「やめろって! おやっさんも止めただろ!」
「兄さんは黙っててください! 戦いのことも分からないくせに!」
少し鋭さを増したヒースの声に、イリーナの反論。
「いよいよやばくなったらホールドでもかけろ」
小さな声でアーチボルトがスイフリーに言う。
「恨まれるから嫌だ。あっちの精霊使いに頼め」
スイフリーは半瞳になって即答する。
「もしくはお前が止めに行け」
「純粋に一対一なら多分勝てるが、二人相手はキツイ無理だ」
「なら見守るかしかないだろう」
既に観客たちのほうは、どちらかが倒れるまでこの戦いは終わらないのだろうと予測していた。下手をするとどちらかが死ぬかもしれないのだが、それを上手く止める術も思いつけない。ただ「止める」だけなら方法もなくはないが、スイフリーの言うように恨まれるだけだ。
「全くあほらしい。だから止めたのに」
観客の意図など、全く解せず二人は向き合う。
とはいえ、左肩からの出血は二人を焦らせるには十分なものであった。互いに実力もあれば、さらに扱う大剣もすばらしい切れ味を持っている。浅く斬らせたつもりでも、随分な傷になっていた。腕を伝う血は剣を握る手を滑らせるし、力だって入れづらい。出血が長引けば、腕の感覚も鈍るし体温も下がる。
(次の一撃くらいが、ラスト)
気合とともにイリーナの剣が振り下ろされる。
ぎりぎりのところにまでひきつけ、それから身をかわす。
(避けた!)
(かわされた!)
レジィナの顔に笑みが、そしてイリーナの顔に焦りが、それぞれはっきりと映し出される。
「だぁあ!」
おおよそ乙女ではない声とともに、レジィナの剣がイリーナの鎧の胴を捉えた。鈍い音とともに、金属同士がぶつかり合い火花が散った。
■次回は試合後。
どうかな? レジィナ活躍できた? 会長!
活躍できてなくても、もう知らないからね! 無理だからね!(笑)
拍手ありがとうございます。詳しいお返事は本家サイト掲示板に近日中にするとして。
Waltzとスチャラカシリーズのコラボを希望していただいたのですが、申し訳ない話ですが、Waltzは読んだことが御座いません。(これから読むかどうかも判りません。友人が持ってたら読むか、も?)
スチャラカは10年以上前に読んだきりなので、これも非常に微妙な記憶しか残ってません(これは友人に頼めば借りられるかも)
というわけで、このラインのコラボはまず無理ですごめんなさい。
ちなみに私とSWリプレイの関係
・スチャラカ…上記のとおり。
・2部…スチャラカ同様10年以上前の記憶。しかも覚えてない。
・泡…全リプレイの中でも最愛チーム。最近の読み直ししまくり。
・4部…1年以内に読み返したので、意外と記憶あり。リーダー愛。
・5部…4部に引き続き読んだので1年以内の記憶。割と好き。
・へっぽこ…1年ほどのうちに読んだ。その勢いで泡ぽこを書いた。うっかりドラマCDを買った。それなりに好き。
・ぺらぺら…4巻まで。以後の巻はまだ友人に借りていない。今のところ微妙。愛せるかどうか。でもブックとシャイアラ姐さんの関係とかは面白いから、もしかしたら愛せるかもしれない。二次創作はしやすそうな気がする。
・以後のパーティー…まとめ方からも判るとおり、何チームあるのかわからない。猫とワルツがあるのを知っている。借りられれば読むと思う。
こんな感じでやんす。
他に読んだリプレイといえば、ティルトワールド、コクーンワールド、シャドウラン、シャドウラン4th、ナイトウィザード(部分的に)、妖魔夜行、ダブルクロス(全シリーズ)、アリアンロッド(ルージュ)、くらいかな?
ダブルクロスには一本ネタがあるけど、貸したきり返ってこないから口調がわからず書きようがない。
まあ、そんな感じで。
泡ぽこ(新)はもうちょっとつめてからにします。
考え中、ということで。
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