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習作
■2007年6月末ごろに書いていたらしいファイル発見。

どうやら「Lovesick」の元ネタというか、思考スタートになったらしい作品みたいです。(書いてたのすら忘れてた)


発見したので読み返したら、まあ、ちょっと中途半端で終わってるけど、悪くはない気がしないでもなかったので、ちょっとにぎやかしにアップしておきます。


・中途半端へいき
・ラブシックの設定平気だった
・あまり突っ込まない
・内容そこそこ気になる


ような属性の方は「本編読んでみる」からどうぞ。
あまり期待はしてはいけません。



「人間は好かん」
その声に私は思わず立ち止まる。
ストローウィック城の二階。廊下を歩いているときに唐突に聞こえたスイフリーさんの声。バルコニーで誰かと話をしているようで、こちらに気付いては居ないようだ。
(立ち聞きは良くないことだ……でも)
内容が気になる。
あの人の言うことは何だって気になる。
彼は未だに善と不善を行き来して、そして私は答えを出せないで居る。

出したくないのかもしれない。

「何で?」
漸くの返事が聞こえた。パラサさんの声だ。どうやらスイフリーさんと二人で話をしているようで、他の声は聞こえてこない。パラサさんの声は心底不思議そうな響きだった。
「早く死ぬ」
「アーチーたちも?」
「アーチーたちは仲間だ。友だ。いつか別れが来るのは当然だし、覚悟はとうにできている。それにお互い旅をしてダークエルフに狙われている身だ。天寿が来る前にあっけなく死ぬかもしれない可能性は、わたしも奴らも同じだ。その意味ではイーブンだ。だから気にしない」
「だったら同じじゃない? 結婚だったとしても、お互いいつか死ぬにゅ」
「大体の場合において、人間のほうが先に死ぬ。大体、エルフの恋愛とはスパンが違う。人間は早く死ぬから錯覚を愛と呼んでさっさと子を生さなければ種を保てない。まあ、だからこそココまで繁栄したんだろうが」
「エルフってどうなん?」
「互いに結婚するに値するか確かめる時間は有り余っているからな、300年くらいは様子見だ。その代わり、一度愛せばほぼ別れはない」
「マンネリにも程があるにゅ」
「まあ、時間をかけすぎなのは認めても良い。絶対的な個体数が少ない上に時間をかけ、しかも妊娠率が低いのだからエルフの将来は先細りだろうよ。そのうえわたしのような森を出てしまうエルフもいるんだしな」
「はとこみたいなエルフばっかりなのは嫌にゅう」
「森から出る時点でエルフとしては変わり者だ」
「はとこはその中でもスペシャル」
「やかましいわ、はとこの子の孫が」
そこで会話は暫く途切れた。
立ち聞きは良くない。早くココを離れなくては。
「でも、好きになったら仕方ないにゅ。好きになるって、いいよー? 毎日わくわくどきどきにゅ」
「まあ、熱に浮かされたお前やフィリスを見てると毎日忙しそうだとは思うが」
「楽しいのに」
「フィリスはいいさ。人間同士だ。そういう意味の問題はなかろうよ」
「他の問題は山積ー」
「はとこの子とて、どうともなりようがないだろう」
「好きって言うのは気持ちが大事なん。体だけじゃないんだよ、はとこ」
「わたしとて、アレがエルフなら何も言わないさ。300年くらい様子見すればいいだけの話だ。ただアレは人間だ。問題が多い」
「先に死なれるのは覚悟できるんやなかったん? アーチーたちのことは覚悟できてるって言ったにゅ」
「人間は、恋愛対象がエルフになっても恋愛の仕方は変わらん。熱病のように愛して、せいぜい60年もしたら居なくなる。エルフのほうはいつものつもりで恋愛してみろ、漸く「ああ、いいかもしれないなあ」などと思いだしたころに相手は死ぬんだぞ? その上生まれるのはハーフエルフだ。生まれてからほとんどの時間をどちらからも疎まれて生きる運命を背負うような子だ」
「はとこって……わりとお堅かったんやね、そういうところに」
「しかもその子すら、自分より早く死ぬんだぞ。まあ、疎まれて生きるには長すぎる時間やもしれんが、それでも愛したものが立て続けに居なくなるのはつらいぞ」
「いや、お嫁さんと子どもの間には軽く百年はあるにゅ」
「高々百年だろうが。アレが嫁だったとしてみろ、アーチーたちも含めわたしは一瞬で6人もなくすんだぞ。しかもそのうちの一人を深く愛していてみろ、わたしはちょっと平静ではいられない気がする」
「ばらつきあると思うけどなあ」
「たかだか10年20年の間だ。一瞬だ」
「はとこは臆病だから怪我したくないのは分かるけどさあ」
「誰が臆病だ」
「はとこが。でもねえ、はとこ。好きってそういう理詰めじゃないにゅ。フィリス姉ちゃん見ててもわかるっしょ? 恋って勢いにゅ、周りなんて見えないにゅ」
「だとしたら」

 

「余計にありえん。わたしはアレをみてもそういう気持ちを抱いたためしがない」


「いつか裏返るかもしんないにゅ」
「その頃にはアレは居なくなってるかも知れんな」
「……うう、寂しいにゅ、結局オレも置いてかれるのは一緒」
「だろう? 置いていかれるのは寂しいものだ」




■多分、すぐに書かなくなったのは「スイクレを普通に書き始めるってどうだろう」と思ったからだと思われます。
ラブシックが暫定的に始まったのが2007年9月末、割と長々考えた挙句に結局書かずに居られなくなって書いたようです。

……昔の事は良く覚えてませんが。

まだこういう「書いてはみたものの放ったらかし」になっている作品がいくつかありますので、また気が向いたら落書きにアップしてみようかと。しないかも知れないけど。

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