泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
到着した城を見て、オーファンから来た一行はただただぽかんとしてその建物を見上げるしかなかった。確かに麓の村からでも見られる程度の大きさを有した城ではあった。しかし、報酬で貰ったという話から、その大きさを多少小さめに想定していたのだ。
が。
目の前にある城は、高さは優に15メートルある頑丈な城壁に守られており、見渡す限り続いている。右手側も左手側も、緩やかなカーブも手伝って先が見えない。周りは確かに沼地ではあったが、頑丈な木製の橋が城門まで架けられていて通行に支障はない。その城門もどっしりとした造りの見事なもので、両方を開け放てば馬車は悠々と通り抜けられるだろう。現在は城主が留守だからか城門は閉められているが、その傍にある通用門は通れるようになっていた。
「城門開けてきます」
クレアとレジィナがその通用門から中に入っていき、暫らくすると城門がゆっくりと開く。どうやら、何か機械仕掛けが組み込まれていて、少人数でも簡単に開けられるようになっているらしい。そもそも、この城自体が狩りのときの休憩用に建てられたというものなので、少人数対応なのだという話だそうだ。
微妙に圧倒された気分のまま、城内に入る。
城壁の中は、広い庭になっていた。遠くに厩舎のようなものが見える。その周囲は馬の運動のためか土がむき出しになっているが、城門から城の正門までは石造りの通路が延びていて、その両側には花が植えられている。小さいが庭園もあり、手入れされた木々が植わっているのが見えた。
城は少々古めかしい建築様式ではあるが、装飾などもしっかりと施された、二階建てのなかなか洒落た建物だった。一角にはステンドグラスがはまっている。多分、そこは小さな礼拝堂のようになっているのだろう。都から離れていても、現在の城主が全く神を信じていなくても、ここはアノスであり、元の持ち主はそれなりにちゃんと信者だったのだろう。
「広いですねー」
はあ、と感心したようなため息とともに、マウナはあたりをぐるりと見渡す。手入れされた庭園はどこまでも続いているのではないかという錯覚さえ覚えそうだ。
「それにしてもひっそりしてるな。やっぱ城主が留守だからかー?」
ヒースもあたりを見ながら軽い口調で言う。確かに、手入れが行き届いているわりには人気は感じられず、寂しい雰囲気がある。それは荘厳な遺跡などに出向いたときの、時間が止まっているような感覚に似ていた。
「そもそもあまり人は居ないからな」
アーチボルトはさして気にした様子もなく返事をする。
「普段から居るのはクレアさんと、あと座長一家で、四人だ」
「四人でこれだけの城を維持してんの!? それは人件費けちりすぎじゃない!?」
あまりといえばあまりな発言に、マウナは思わず悲鳴を上げる。
「ブラウニーくらい呼んだし、庭の手入れなんかは村人を雇う。基本的に4人だけが働いてるわけじゃない」
「あ、そうか、ブラウニー。そうよね」
呆れたような口調で言ったスイフリーに、マウナは落ち着きを取り戻したかのように胸を押さえ、息を吐き出す。
「慣れてしまえば、平気なものですよ」
クレアは少し首を傾げて、笑って見せた。
城を前に、しばらくそのような立ち話を続けていると、城の角から子どもが一人歩いてきた。
「リズ!」
それに真っ先に気付いて声を上げたのはレジィナ。
「あ! レジィナおねえちゃん!」
向こうもその声に気付いたらしく、大きく手を振りこちらへ歩いてくる。その後ろをのっそりとついてくるのは大きな虎だ。
「虎!?」
素っ頓狂な声をノリスが上げる。
「ああ、平気、あの子は」
最後まで聞かず、イリーナが駆け出す。しっかりと手にグレートソードを構えて。そして、行き着く前にずべっとこけた。
「あ、ノーム」
ぼそりとエキューが言う。隣でスイフリーが挙げていた手を下ろしたところから見て、多分スネアを唱えたのは彼だろう。
不思議そうに起き上がるイリーナに、レジィナから声が飛ぶ。
「その子うちで飼ってる虎だからー!」
「えええええ!?」
イリーナ以外からも驚きの声が上がる。
「アレは虎じゃなくておっきな猫よ」
「助けるためにどれだけ奔走したと思ってるんだ。魔晶石だって使いつぶしてるんだぞ。殺されてたまるか」
フィリスとスイフリーがそれぞれぼそりという。
「それにしてもトップはオーファンの方々と本当に相性がわるいですねぇ」
グイズノーがははは、と軽い笑い声をあげた。
■今日は何だかながくなりました。まあ、そんなこともあるさ。
ところで、バブリー城もとい「ストローウィック城」ですが、大きさは第3部を参考に書きました。
3部での城は「直径1キロ(周囲約3キロ)の城壁に守られている、内部の土は乾いていて、馬なんかの乗り入れオッケー」でした。
それが4部になると「周囲1.5~2キロ、15メートルの高さの城壁にまもられている」に変更になってます。小さいよりは大きいほうがかっちょいいので、広めのほう採用にしました。でもSWは後出し優先の法則があるので、本当は小さいほうかもしれないよ。
で、直径1キロっていうとね、うちの団地よりでかいんですけど。周囲2キロだとしても、多分うちの団地より大きい(笑)
が。
目の前にある城は、高さは優に15メートルある頑丈な城壁に守られており、見渡す限り続いている。右手側も左手側も、緩やかなカーブも手伝って先が見えない。周りは確かに沼地ではあったが、頑丈な木製の橋が城門まで架けられていて通行に支障はない。その城門もどっしりとした造りの見事なもので、両方を開け放てば馬車は悠々と通り抜けられるだろう。現在は城主が留守だからか城門は閉められているが、その傍にある通用門は通れるようになっていた。
「城門開けてきます」
クレアとレジィナがその通用門から中に入っていき、暫らくすると城門がゆっくりと開く。どうやら、何か機械仕掛けが組み込まれていて、少人数でも簡単に開けられるようになっているらしい。そもそも、この城自体が狩りのときの休憩用に建てられたというものなので、少人数対応なのだという話だそうだ。
微妙に圧倒された気分のまま、城内に入る。
城壁の中は、広い庭になっていた。遠くに厩舎のようなものが見える。その周囲は馬の運動のためか土がむき出しになっているが、城門から城の正門までは石造りの通路が延びていて、その両側には花が植えられている。小さいが庭園もあり、手入れされた木々が植わっているのが見えた。
城は少々古めかしい建築様式ではあるが、装飾などもしっかりと施された、二階建てのなかなか洒落た建物だった。一角にはステンドグラスがはまっている。多分、そこは小さな礼拝堂のようになっているのだろう。都から離れていても、現在の城主が全く神を信じていなくても、ここはアノスであり、元の持ち主はそれなりにちゃんと信者だったのだろう。
「広いですねー」
はあ、と感心したようなため息とともに、マウナはあたりをぐるりと見渡す。手入れされた庭園はどこまでも続いているのではないかという錯覚さえ覚えそうだ。
「それにしてもひっそりしてるな。やっぱ城主が留守だからかー?」
ヒースもあたりを見ながら軽い口調で言う。確かに、手入れが行き届いているわりには人気は感じられず、寂しい雰囲気がある。それは荘厳な遺跡などに出向いたときの、時間が止まっているような感覚に似ていた。
「そもそもあまり人は居ないからな」
アーチボルトはさして気にした様子もなく返事をする。
「普段から居るのはクレアさんと、あと座長一家で、四人だ」
「四人でこれだけの城を維持してんの!? それは人件費けちりすぎじゃない!?」
あまりといえばあまりな発言に、マウナは思わず悲鳴を上げる。
「ブラウニーくらい呼んだし、庭の手入れなんかは村人を雇う。基本的に4人だけが働いてるわけじゃない」
「あ、そうか、ブラウニー。そうよね」
呆れたような口調で言ったスイフリーに、マウナは落ち着きを取り戻したかのように胸を押さえ、息を吐き出す。
「慣れてしまえば、平気なものですよ」
クレアは少し首を傾げて、笑って見せた。
城を前に、しばらくそのような立ち話を続けていると、城の角から子どもが一人歩いてきた。
「リズ!」
それに真っ先に気付いて声を上げたのはレジィナ。
「あ! レジィナおねえちゃん!」
向こうもその声に気付いたらしく、大きく手を振りこちらへ歩いてくる。その後ろをのっそりとついてくるのは大きな虎だ。
「虎!?」
素っ頓狂な声をノリスが上げる。
「ああ、平気、あの子は」
最後まで聞かず、イリーナが駆け出す。しっかりと手にグレートソードを構えて。そして、行き着く前にずべっとこけた。
「あ、ノーム」
ぼそりとエキューが言う。隣でスイフリーが挙げていた手を下ろしたところから見て、多分スネアを唱えたのは彼だろう。
不思議そうに起き上がるイリーナに、レジィナから声が飛ぶ。
「その子うちで飼ってる虎だからー!」
「えええええ!?」
イリーナ以外からも驚きの声が上がる。
「アレは虎じゃなくておっきな猫よ」
「助けるためにどれだけ奔走したと思ってるんだ。魔晶石だって使いつぶしてるんだぞ。殺されてたまるか」
フィリスとスイフリーがそれぞれぼそりという。
「それにしてもトップはオーファンの方々と本当に相性がわるいですねぇ」
グイズノーがははは、と軽い笑い声をあげた。
■今日は何だかながくなりました。まあ、そんなこともあるさ。
ところで、バブリー城もとい「ストローウィック城」ですが、大きさは第3部を参考に書きました。
3部での城は「直径1キロ(周囲約3キロ)の城壁に守られている、内部の土は乾いていて、馬なんかの乗り入れオッケー」でした。
それが4部になると「周囲1.5~2キロ、15メートルの高さの城壁にまもられている」に変更になってます。小さいよりは大きいほうがかっちょいいので、広めのほう採用にしました。でもSWは後出し優先の法則があるので、本当は小さいほうかもしれないよ。
で、直径1キロっていうとね、うちの団地よりでかいんですけど。周囲2キロだとしても、多分うちの団地より大きい(笑)
PR
この記事にコメントする