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泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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それは最初とてもかすかなもので、まるで気付かないでいた。

「わざわざ言ってもらわなくても、あんたの言うことはわかってる」

その言葉はじわりじわりと、私の中を広がっていく。
静かな湖に、小さな小石を投げ入れたときに広がっていく波紋のように。
波のように。
ただ静かに。

「この目が悪人の目に見えますか?」
「自らの正義のためには、人の作った法をあえて破らねばならぬこともあるのだ」


その波紋はいくつもいくつも私の中に広がっていく。
共鳴して大きくなる。
静かだった湖面に、波はどんどん広がって、重なり合っていく。

確かにそれは、最初とてもかすかなものだった。
けれど、かすかでも、確実に存在した。
その小さな波に押されて私は行動した。
きっかけは小さなことだったかもしれない。
どうして助けようと思ったんだっただろう。

「わたしの帰りを気長に待っていて貰おう」

そう。
かすかな、
でも確実な波がそこにあった。

それは人にはかすかでも、
私には衝撃だったのかもしれない。


声が耳の中で反響する。
それはいつか行った海の、潮騒のように続いていく。
いつしか、それが当たり前になる。
悪い気持ちではない。

冷たく静かだった湖面は、今は波立ちざわめき、
でも穏やか。


人はこの心の波立ちに、恋という名前をつけるそうだ。




クレアさんです。
前々から書いてみたいなあと思っていた話を書いてみたのですが、
違う!
こんな甘い話にするつもりは毛頭なかった!
というかこの話、別にクレアさんじゃない人で書いてもよかったのでは?(我に返るの、遅すぎ!)



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