泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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大広間、と呼ばれた部屋は本当に広く、整然と並んだ多くの窓から室内に向けてやわらかな光がさしていた。大きなテーブルが中央に置かれていて、その上には花が飾られ、置かれた燭台のろうそくの光がぼんやりとテーブルと花を照らしている。
「飾り付けると雰囲気違うものねー」
フィリスは感心したように声をあげると、テーブルの花を指でつついた。普段、このテーブルはここまで飾り付けられることがないので新鮮に感じられたのだ。当初は飾り付けられていたが、自分たちの食事の勢いを見たクレアが飾り付けるのをやめてしまった、というのは忘れたことにしておく。
「では食事を運んでまいりますから、ファリス様に祈りをささげていてくださいね」
クレアの先輩、という話の女性はそういうと一礼して部屋を出ようとする。
「手伝います」
クレアが立ち上がると、彼女はクレアを手で制した。
「今回は貴女も使者としての責務を果たしてきたのですから、テーブルでお待ちなさい」
そう言って、悠然と部屋を出て行った。残されたクレアは居心地悪そうにテーブルを見つめていたが、やがて様々なことを諦めたのか、神に祈りをささげ始める。
「神に祈れといわれてもな」
神を信じない種族であるスイフリーとパラサは疲れたような表情を見せ、ファリス以外を信じる信徒たちはそれぞれの神に祈りをささげ、それといった信仰を持たないものたちはとりあえず祈った振りをしておく。形式だけはともかく大事だ、というのはファーズに居る間に学んだことだった。
いつもの勢いで食事をするわけにもいかず(慣れたクレアならともかく、あの先輩なる人は絶対に怒るだろうということくらい、簡単に予想できた)運ばれてくる食事の説明など聞きつつ、今後のことを話し合う。
「とりあえず、テレポートのスクロールはすぐに用意できるのだが、いつ使うかね? 暫らく滞在するというなら、それはそれで構わないのだが」
アーチボルトがヒースを見る。メインの招待客はイリーナだが、スクロールを使えるのはオーファンの冒険者の中ではヒースだけであるし、彼らの中でリーダー格であると理解しているからだ。
「そうだなー。まあ、とりあえず今日は時間も時間だから、流石に一泊はしたいな。その後のことはまたそのうち考える」
「お城のなか、案内してもらいたいんですけど、いいですか?」
マウナが遠慮がちに手を挙げた。
「あー、ボクも見たい。すごいもんねー、お城を探検できるなんて、そうないからねー」
ノリスがマウナに続いて勢い良く手を挙げる。城自体はオーファンとアノスで一応出かけたことはあるが、決まった場所しか通ってないから、行ってないのと同じだ、という考えがあるらしい。
「マウナさんがいくなら、僕も行きます!」
しゅた、とエキューが手を挙げた。
「ではあとで案内しよう」
重々しくアーチボルトは返事をした。
「でも、城を見たって一日はつぶれないよな。明日の午後には帰るか。ファーズも観光したし、アノス巡礼は終わった。オランもエレミアも通るとき堪能したし、ま、いいだろう」
軽い声のヒースに、他の全員が頷く。返事をしないのはイリーナだけだ。
「イリーナ、何か遣り残したことがあるのかの?」
ガルガドがイリーナを見ると、彼女はこくりと頷いた。
「アノスはとてもすばらしいところでした。ファーズは美しく、国の人は皆ファリス様を深く深く信じていて、とってもいい感じでした」
「じゃー何が足りないの?」
ノリスの質問に、イリーナはアーチボルトとレジィナを見る。
「私も、アーチボルトさんやレジィナさんと手合わせしたいです! あの冒険者の人がうらやましくてうらやましくて」
「……ある意味イリーナらしいというか」
マウナが呆れた声を出す。
「断れ」
アーチボルトやレジィナが口を開くより先にスイフリーがぼそりという。
「何でですか!?」
「利益がない」
悲鳴めいた声をあげるイリーナに、スイフリーは即答する。
「利益って……」
レジィナががっくりしたようにスイフリーを見る。
「別に私が勝手にするなら問題ないよね? 私は構わないけど。アーチーは?」
「わたしか? わたしはやめておくかな。それこそ利益がない」
じとっとした目でレジィナに見上げられ、アーチボルトは目をそらす。
「あの冒険者がよくてイリーナが駄目な理由って何?」
レジィナは食い下がる。
「アレはまだそれほど実力者でもなかったから、アーチーも手加減して戦えたが、イリーナ相手だとそうはいかないだろう。怪我だとかもろもろを考えると、いいことなんてないぞ。死んだらどうするんだ」
スイフリーはため息をつく。
■しばし忙しく、更新が今になりました。
まあ、そういうこともあるさ、と生暖かく見守っていただければ、幸い。
■ちょっと中途半端だけど、今日はここまで。
おかしいなあ、また「レジィナを活躍させようの会・会長」の命令であるところのレジィナの活躍がなかった。
んー。
そして全然意図しない方向へ話が進んでいった。
「飾り付けると雰囲気違うものねー」
フィリスは感心したように声をあげると、テーブルの花を指でつついた。普段、このテーブルはここまで飾り付けられることがないので新鮮に感じられたのだ。当初は飾り付けられていたが、自分たちの食事の勢いを見たクレアが飾り付けるのをやめてしまった、というのは忘れたことにしておく。
「では食事を運んでまいりますから、ファリス様に祈りをささげていてくださいね」
クレアの先輩、という話の女性はそういうと一礼して部屋を出ようとする。
「手伝います」
クレアが立ち上がると、彼女はクレアを手で制した。
「今回は貴女も使者としての責務を果たしてきたのですから、テーブルでお待ちなさい」
そう言って、悠然と部屋を出て行った。残されたクレアは居心地悪そうにテーブルを見つめていたが、やがて様々なことを諦めたのか、神に祈りをささげ始める。
「神に祈れといわれてもな」
神を信じない種族であるスイフリーとパラサは疲れたような表情を見せ、ファリス以外を信じる信徒たちはそれぞれの神に祈りをささげ、それといった信仰を持たないものたちはとりあえず祈った振りをしておく。形式だけはともかく大事だ、というのはファーズに居る間に学んだことだった。
いつもの勢いで食事をするわけにもいかず(慣れたクレアならともかく、あの先輩なる人は絶対に怒るだろうということくらい、簡単に予想できた)運ばれてくる食事の説明など聞きつつ、今後のことを話し合う。
「とりあえず、テレポートのスクロールはすぐに用意できるのだが、いつ使うかね? 暫らく滞在するというなら、それはそれで構わないのだが」
アーチボルトがヒースを見る。メインの招待客はイリーナだが、スクロールを使えるのはオーファンの冒険者の中ではヒースだけであるし、彼らの中でリーダー格であると理解しているからだ。
「そうだなー。まあ、とりあえず今日は時間も時間だから、流石に一泊はしたいな。その後のことはまたそのうち考える」
「お城のなか、案内してもらいたいんですけど、いいですか?」
マウナが遠慮がちに手を挙げた。
「あー、ボクも見たい。すごいもんねー、お城を探検できるなんて、そうないからねー」
ノリスがマウナに続いて勢い良く手を挙げる。城自体はオーファンとアノスで一応出かけたことはあるが、決まった場所しか通ってないから、行ってないのと同じだ、という考えがあるらしい。
「マウナさんがいくなら、僕も行きます!」
しゅた、とエキューが手を挙げた。
「ではあとで案内しよう」
重々しくアーチボルトは返事をした。
「でも、城を見たって一日はつぶれないよな。明日の午後には帰るか。ファーズも観光したし、アノス巡礼は終わった。オランもエレミアも通るとき堪能したし、ま、いいだろう」
軽い声のヒースに、他の全員が頷く。返事をしないのはイリーナだけだ。
「イリーナ、何か遣り残したことがあるのかの?」
ガルガドがイリーナを見ると、彼女はこくりと頷いた。
「アノスはとてもすばらしいところでした。ファーズは美しく、国の人は皆ファリス様を深く深く信じていて、とってもいい感じでした」
「じゃー何が足りないの?」
ノリスの質問に、イリーナはアーチボルトとレジィナを見る。
「私も、アーチボルトさんやレジィナさんと手合わせしたいです! あの冒険者の人がうらやましくてうらやましくて」
「……ある意味イリーナらしいというか」
マウナが呆れた声を出す。
「断れ」
アーチボルトやレジィナが口を開くより先にスイフリーがぼそりという。
「何でですか!?」
「利益がない」
悲鳴めいた声をあげるイリーナに、スイフリーは即答する。
「利益って……」
レジィナががっくりしたようにスイフリーを見る。
「別に私が勝手にするなら問題ないよね? 私は構わないけど。アーチーは?」
「わたしか? わたしはやめておくかな。それこそ利益がない」
じとっとした目でレジィナに見上げられ、アーチボルトは目をそらす。
「あの冒険者がよくてイリーナが駄目な理由って何?」
レジィナは食い下がる。
「アレはまだそれほど実力者でもなかったから、アーチーも手加減して戦えたが、イリーナ相手だとそうはいかないだろう。怪我だとかもろもろを考えると、いいことなんてないぞ。死んだらどうするんだ」
スイフリーはため息をつく。
■しばし忙しく、更新が今になりました。
まあ、そういうこともあるさ、と生暖かく見守っていただければ、幸い。
■ちょっと中途半端だけど、今日はここまで。
おかしいなあ、また「レジィナを活躍させようの会・会長」の命令であるところのレジィナの活躍がなかった。
んー。
そして全然意図しない方向へ話が進んでいった。
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