忍者ブログ
泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
[106]  [105]  [104]  [103]  [102]  [101]  [100]  [99]  [98]  [97]  [96
[PR]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

泡ぽこ 64
冒険者達とわかれ、一路城を目指す。
平坦な街道を一週間ほど歩いていくと、やがて小さな村にたどりついた。都から離れているといっても、ファリス信仰はしっかりと根付いているらしく、村の真ん中には大きくはないとはいえ、しっかり神殿が存在し、その建物を中心に村は発展している。
遠くに見える城が、目指すストローウィック城で、その大きさからまだ暫らく歩かなければたどりつかないだろうことが想像できる。
村には小さな酒場はあるが、冒険者が泊まれるような宿はない。そもそも、あまり冒険者がやってくるような土地ではないのだ。
農業を中心とした穏やかな村は、周りに遺跡もなければ洞窟もない。ファリス信仰が根付いているとはいえ、全く揉め事がないわけではないが、基本的に穏やかなものだ。大体、ここを治めているのはアノスの英雄である騎士で、わざわざこの場所で厄介ごとを起こそうとするような者は居なかった。現在はその領主は城を留守をしているが、代わりに城に常駐している名代がこれまた腕の立つ騎士で、しかもファリス神官でもあることから、困ったことがあれば城に直訴に行くというスタイルが確立しており、村は平和そのものだった。冒険者が迷い込んできたら、村長の家に泊めるか、もしくは城に泊まってもらうかするようにしているため、冒険者と村人たちにあまり摩擦も起こらない。
平和そのもの、という村である。

「まあ、つまりわたしの治世がうまくいっているということだ」
城に帰ってからの食糧を調達するため、暫らく村にとどまっている間に、アーチボルトは村と城の関係性をオーファンの冒険者たちに説明した。
「わたしの治世って……実際に働いてるのはクレアさんじゃない」
呆れた声をだすのはレジィナだ。
「でも、大体の指示はアーチボルトさんがしてくれますし」
クレアは謙遜するでもなく、ただ事実を述べる口調で話す。
彼らは現在、村の中心に近い酒場で休憩を取っている。村人たちは久々に帰って来た領主や名代の前に列を作り、それぞれ挨拶をして戻って行く。時々、採れたての野菜や、自家製の酒を置いていくものも居る。中には要望や希望を述べるものもいたが、その要求も大して難しいことではなかった。
「愛される領主様っていうのも大変だなー」
ヒースは休む間もなく村人たちの話を聞いているアーチボルトとクレアを、頬杖をついて見守る。微妙に、クレアに話をしにいく村人のほうが多いような気がする。名代としてずっと城に居るクレアのほうが、村人たちにとっては馴染み深いのかもしれない。もしかしたら、領主だと思われているんじゃないだろうか、と思ったがそれは言わないことにした。

村の人間の挨拶なども一段落して、酒場が少し静かになった頃、ようやく食糧を仕入れに行ったメンバーが戻ってきた。
「人数が人数だから、量も多いし、馬車借りてきたけど、大丈夫だった?」
「構いませんよ。戻しに行けばいいですから」
フィリスの質問にクレアは答えると、窓の外を見た。小さな馬車が止まっている。アレのことを言っているのだろう。
「では、休憩したら参りましょう」



■短い間ではありましたが、無事「アーチーを活躍させようの会」は活動を終えました。
皆様ご協力感謝します。
会長にはお褒めのことばをいただきました。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ / [PR]

photo by 7s
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
カウンター
WEB拍手
2007.12.24変更
メルフォ。
プロフィール
HN:
こーき
性別:
非公開
最新コメント
最新トラックバック
バーコード
忍者・1人目
忍者・2人目