泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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人工的な道を進んでいく。あたりは不気味に静かで、何があるというわけでもない。
ヒースの灯した青白い魔法の光があたりを照らし、浮かび上がる通路は酷く冷たく見える。
「やっぱり、駆け出しの子達もここを通ったのかしら?」
「まあ、そう見て間違いないだろうの。この先で何かがあったのだろうな」
不安そうなマウナに、ガルガドは重々しく頷く。
「どんな邪悪が来ても負けません!」
「相手によるよ」
その話を聞いて拳を握るイリーナに、エキューがぼそりと呟く。確かに、イリーナならたいていの魔物には負けないような気がするが、しょーもない理由で死ぬこともあるのがこの仕事。注意はどれだけしてもし足りないことは無い。
「ともかく、注意しないとね。死んじゃったら意味無いんだし」
歩を進めていくと、やがて重厚な扉のある行き止まりに行き着いた。
「おお!? 思いの外大当たりな感じの扉じゃないか」
「何かちょっと胡散臭い」
「上手く事が進みすぎておる気がするの」
朗らかな声で言うヒースに、エキューとガルガドがため息をつきそうな顔をする。まだため息をつかないだけましかもしれない。
「でもでもぉ、何かお宝がありそうな感じの扉よねぇ~」
「マウナさんが言うならそのとおり!」
「この変わり身の早さは何かに使えないかしら」
がすりと肘鉄を食らわせながらマウナは扉を見る。扉は石で出来ており、重々しい鉄の取っ手がついている。
「兄さん、何か書いてあります」
「んあ? そんなん、見て判る。が、読めん」
「兄さんでも読めないんですか!」
「こんだけ掠れたモン読める奴が居たら、書いた奴だけだ」
ヒースが呆れた顔をする。イリーナが指差したのは扉自体で、魔方陣のようなものと文字のようなものが書かれていたらしい。その大半は掠れており、何が書かれていたのか類推することも出来そうにない。
「ま、ともかく開けるねー」
「待たんかクソガキ!」
「って言われても、もう開いちゃったし」
ノリスが扉を指差す。扉は確かに少しだけ開いている。
「こんなときばっかり手際がいい!」
部屋の中は本のぎっしりとつまった本棚で埋め尽くされており、明かりのためかロウソクの炎があちこちでゆれている。本棚では足りなかったのか、床にも本が散乱している。テーブルには不思議な色の液体が入ったビンがいくつも置かれていたり、何かを書き付けた紙が幾重にも重ねて置かれている。
魔法使いの部屋、というのが全員の共通したイメージだった。
「また懲りもせずやってきたのか、蛮族どもめ」
ゆらりと部屋の中央で紺のローブを着た一人の男が立ち上がる。大柄の威厳にあふれた男で、その鋭い目をさらに鋭くして彼らを見た。
敵対の瞳。
「……まったく。ワシの研究を狙ってくるとは蛮族としては見所はあるが……しかしこの研究の重要さをわかっておらん。この研究はデリケートなもの。不用意にドアをあけるとは……それだけで処罰の対象だ」
ギロリ、にらみつけ。
「死をもって償え、蛮族ども」
「兄さん、何を言ってるのかわかりません!」
「簡単に言うと俺様たちは死ねといわれた」
「な!」
イリーナはローブの男にびしりと指を突き付ける。
「汝は邪悪なり!」
そして愛用のグレートソードを引き抜き構える。
「イリーナ、やる気があるのはいいが、そいつに攻撃するのはやめろ」
「何でですか!?」
「とりつかれるぞ、スペクターだから」
「さっきから聞いておれば人を低俗な魔物のように言いおって……万死に値する!」
「来るぞ! 気を付けろ!」
■思いの外、友達に順調に送ることが出来ているので、調子乗って2回目です。
1週間に1回の更新頻度なら、なんとかなりそうな気がしてきました。ので、しばらくそういう感じで。
……えーと、泡の人たちはしばらく出ません。
ヒースの灯した青白い魔法の光があたりを照らし、浮かび上がる通路は酷く冷たく見える。
「やっぱり、駆け出しの子達もここを通ったのかしら?」
「まあ、そう見て間違いないだろうの。この先で何かがあったのだろうな」
不安そうなマウナに、ガルガドは重々しく頷く。
「どんな邪悪が来ても負けません!」
「相手によるよ」
その話を聞いて拳を握るイリーナに、エキューがぼそりと呟く。確かに、イリーナならたいていの魔物には負けないような気がするが、しょーもない理由で死ぬこともあるのがこの仕事。注意はどれだけしてもし足りないことは無い。
「ともかく、注意しないとね。死んじゃったら意味無いんだし」
歩を進めていくと、やがて重厚な扉のある行き止まりに行き着いた。
「おお!? 思いの外大当たりな感じの扉じゃないか」
「何かちょっと胡散臭い」
「上手く事が進みすぎておる気がするの」
朗らかな声で言うヒースに、エキューとガルガドがため息をつきそうな顔をする。まだため息をつかないだけましかもしれない。
「でもでもぉ、何かお宝がありそうな感じの扉よねぇ~」
「マウナさんが言うならそのとおり!」
「この変わり身の早さは何かに使えないかしら」
がすりと肘鉄を食らわせながらマウナは扉を見る。扉は石で出来ており、重々しい鉄の取っ手がついている。
「兄さん、何か書いてあります」
「んあ? そんなん、見て判る。が、読めん」
「兄さんでも読めないんですか!」
「こんだけ掠れたモン読める奴が居たら、書いた奴だけだ」
ヒースが呆れた顔をする。イリーナが指差したのは扉自体で、魔方陣のようなものと文字のようなものが書かれていたらしい。その大半は掠れており、何が書かれていたのか類推することも出来そうにない。
「ま、ともかく開けるねー」
「待たんかクソガキ!」
「って言われても、もう開いちゃったし」
ノリスが扉を指差す。扉は確かに少しだけ開いている。
「こんなときばっかり手際がいい!」
部屋の中は本のぎっしりとつまった本棚で埋め尽くされており、明かりのためかロウソクの炎があちこちでゆれている。本棚では足りなかったのか、床にも本が散乱している。テーブルには不思議な色の液体が入ったビンがいくつも置かれていたり、何かを書き付けた紙が幾重にも重ねて置かれている。
魔法使いの部屋、というのが全員の共通したイメージだった。
「また懲りもせずやってきたのか、蛮族どもめ」
ゆらりと部屋の中央で紺のローブを着た一人の男が立ち上がる。大柄の威厳にあふれた男で、その鋭い目をさらに鋭くして彼らを見た。
敵対の瞳。
「……まったく。ワシの研究を狙ってくるとは蛮族としては見所はあるが……しかしこの研究の重要さをわかっておらん。この研究はデリケートなもの。不用意にドアをあけるとは……それだけで処罰の対象だ」
ギロリ、にらみつけ。
「死をもって償え、蛮族ども」
「兄さん、何を言ってるのかわかりません!」
「簡単に言うと俺様たちは死ねといわれた」
「な!」
イリーナはローブの男にびしりと指を突き付ける。
「汝は邪悪なり!」
そして愛用のグレートソードを引き抜き構える。
「イリーナ、やる気があるのはいいが、そいつに攻撃するのはやめろ」
「何でですか!?」
「とりつかれるぞ、スペクターだから」
「さっきから聞いておれば人を低俗な魔物のように言いおって……万死に値する!」
「来るぞ! 気を付けろ!」
■思いの外、友達に順調に送ることが出来ているので、調子乗って2回目です。
1週間に1回の更新頻度なら、なんとかなりそうな気がしてきました。ので、しばらくそういう感じで。
……えーと、泡の人たちはしばらく出ません。
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