泡だとかぽこだとか。時折ルージュとか。初めての方は「各カテゴリ説明」をお読みください。
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「おや、ソレは良くありませんね。魔法を使って差し上げましょうか?」
スイフリーにグイズノーが微笑む。
「いや、いい。病気ではない」
「どういうことだ」
眉を寄せるスイフリーに、アーチボルトが尋ねる。
「あっちの精霊使いにも聞いてみたらいい。何か精霊の働きが変な感じなのだ」
実際尋ねてみると、マウナやエキュー、ノリスは首を縦に振った。
「気のせいじゃなかったのね」
マウナは眉間に指を当ててため息をつく。どうやら妙な感覚を気のせいで済ませたかったらしい。
「まあ、仕方ないな。お互い重ならないように精霊をつれてきたことだし、まあ、大丈夫だろう」
スイフリーはため息混じりに言う。
「ソレよりアーチー、さっきの答えだが。気に食わないのはわたしもおなじだ。あまりにおあつらえむきすぎる。広間の規模から大勢の招待客を呼ぶ施設のようだが、ソレにしたって部屋数がなあ」
「でも、わたくしたちが脇道を通るまでは誘導できても、この屋敷に入るのは誘導ではないでしょう? 偶然ですよ」
グイズノーは笑う。のんびりした口調は、警戒していない副産物だ。
「真にココを目的地にしたいのであれば、そのように誘導してくるさ。いくらでも方法があるからな。まあ、いい。こうなったらとことん策に乗ってやろうじゃないか。一人一部屋使って、警戒だけはしておこう」
「いつもどおり見張りも立てるわけだな」
「そういうことだ」
話し合いの結果、お互いの部屋を決める。
階段から最も近い左右の部屋を、それぞれパラサとノリスが使うことにした。コレは階段から誰かが上ってきてもすぐに分かるようにという配慮の元だ。その隣の部屋はそれぞれアーチーとレジィナが使っている。コレも直接戦えるものが前に居たほうがいいからだ。
エントランスの吹き抜け前の両側にはそれぞれスイフリーとエキュー。コレも階段から上ってくる相手に、ジャベリンが個別に飛ばせるからである。階段前の部屋にはイリーナとガルガド。その奥側にマウナとグイズノー。左の廊下突き当たりにヒース、その前がフィリス。右側は突き当たりにクレア、その前がバスということになった。クレアから遠く離れたパラサから文句が出た以外は、部屋割りはすんなりと決まる。
見張りはいつもどおり三交代制で、1直目にパラサとレジィナ、2直目にノリスとアーチー、3直目にマウナとクレアが当たることになった。
現在は2直目である。
アーチーはノリスと組んだことを早くも後悔し始めていた。これではグラスランナーと居るのとそう変わらない。
戦力的には期待できそうだが、コレではプラスマイナスでマイナスだ。
「なーんにも起こらないねー」
「起こってたまるか」
階段に座って足をぶらつかせるノリスにアーチボルトはため息混じりに答える。こういう態度はどうかと思うが、実際何も起こらず時間は過ぎていきそうだ。
(考えすぎだったか)
自分の深読み具合に少々内心苦笑したとき。
屋敷が唐突に大きく揺れた。
■なんかちょっと文章が淡々としすぎたかも。
まあ、いいや。
現在、最終に向けて、友人にラスボスの能力値を発注しました。
それが完成したら友人たちとさいころ振りです。
今度こそそれに参加して、ぜひともアーチーかパラサがやりたいです。
すごいらしいですよ。
スイフリーにグイズノーが微笑む。
「いや、いい。病気ではない」
「どういうことだ」
眉を寄せるスイフリーに、アーチボルトが尋ねる。
「あっちの精霊使いにも聞いてみたらいい。何か精霊の働きが変な感じなのだ」
実際尋ねてみると、マウナやエキュー、ノリスは首を縦に振った。
「気のせいじゃなかったのね」
マウナは眉間に指を当ててため息をつく。どうやら妙な感覚を気のせいで済ませたかったらしい。
「まあ、仕方ないな。お互い重ならないように精霊をつれてきたことだし、まあ、大丈夫だろう」
スイフリーはため息混じりに言う。
「ソレよりアーチー、さっきの答えだが。気に食わないのはわたしもおなじだ。あまりにおあつらえむきすぎる。広間の規模から大勢の招待客を呼ぶ施設のようだが、ソレにしたって部屋数がなあ」
「でも、わたくしたちが脇道を通るまでは誘導できても、この屋敷に入るのは誘導ではないでしょう? 偶然ですよ」
グイズノーは笑う。のんびりした口調は、警戒していない副産物だ。
「真にココを目的地にしたいのであれば、そのように誘導してくるさ。いくらでも方法があるからな。まあ、いい。こうなったらとことん策に乗ってやろうじゃないか。一人一部屋使って、警戒だけはしておこう」
「いつもどおり見張りも立てるわけだな」
「そういうことだ」
話し合いの結果、お互いの部屋を決める。
階段から最も近い左右の部屋を、それぞれパラサとノリスが使うことにした。コレは階段から誰かが上ってきてもすぐに分かるようにという配慮の元だ。その隣の部屋はそれぞれアーチーとレジィナが使っている。コレも直接戦えるものが前に居たほうがいいからだ。
エントランスの吹き抜け前の両側にはそれぞれスイフリーとエキュー。コレも階段から上ってくる相手に、ジャベリンが個別に飛ばせるからである。階段前の部屋にはイリーナとガルガド。その奥側にマウナとグイズノー。左の廊下突き当たりにヒース、その前がフィリス。右側は突き当たりにクレア、その前がバスということになった。クレアから遠く離れたパラサから文句が出た以外は、部屋割りはすんなりと決まる。
見張りはいつもどおり三交代制で、1直目にパラサとレジィナ、2直目にノリスとアーチー、3直目にマウナとクレアが当たることになった。
現在は2直目である。
アーチーはノリスと組んだことを早くも後悔し始めていた。これではグラスランナーと居るのとそう変わらない。
戦力的には期待できそうだが、コレではプラスマイナスでマイナスだ。
「なーんにも起こらないねー」
「起こってたまるか」
階段に座って足をぶらつかせるノリスにアーチボルトはため息混じりに答える。こういう態度はどうかと思うが、実際何も起こらず時間は過ぎていきそうだ。
(考えすぎだったか)
自分の深読み具合に少々内心苦笑したとき。
屋敷が唐突に大きく揺れた。
■なんかちょっと文章が淡々としすぎたかも。
まあ、いいや。
現在、最終に向けて、友人にラスボスの能力値を発注しました。
それが完成したら友人たちとさいころ振りです。
今度こそそれに参加して、ぜひともアーチーかパラサがやりたいです。
すごいらしいですよ。
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現在居るのはエントランス。多少古ぼけてはいるがかなり豪華な絨毯が敷かれている。左右にはドアがあり、正面には二階にあがる大きな階段があった。階段の両側は壁になっていて、左側には風景画が、右側には女性の人物画がかけられている。エントランスにあるのはその程度で、装飾品は一切無い。
「殺風景だねえ」
ひょこひょこと奥に向かって歩いていこうとするノリスの首根っこをガルガドが捕まえた。
「ちょっとは警戒心ってものを持て! このクソガキが!」
「えー、だって誰も居ないんでしょ? 大丈夫だよー」
「まだ誰も居らんとは確定しとらんわ!」
「……」
アノス側の冒険者たちの呆然としたような視線を浴びながら、ヒースは内心ため息をついた。コレまでは大きな戦闘が無かったからノリスの戦闘での性能はアピールできてないし、探索はしていないから何とかそっちの性能をばらさずに済んでいたが、遂にばれてしまった。
「アー、ま、なんだ。ノリスのお茶目は置いておくとして、これからどうする?」
「お茶目?」
エキューの冷たい声は、この際無視だ。
「実際問題、奥に屋敷関係者がいたり、先客が居たらいやだな」
「いないっしょ。雨で不確定だけど、足跡はなさそうだったし、鍵もかかってたし。第一、誰か居てオレらに敵対心がなかったら、こんだけ騒いでたら出てくるって」
「出てこないのは、居ないかこちらを警戒しているだけだと?」
パラサの答えにグイズノーが問いかける。パラサは頷いた。
「後はアンデットとか?」
「黄色い感じはしないぞ、今のところ」
「先客は全員石にされて広間とかに居たりして。居るのは臆病なメデューサ、屋敷の主、なーんて」
「よかったねえアーチー、大好きなファンタジーだにゅ」
「そういうのはホラーというのだ」
「というか、なぜこの会話で固まるのだヒース」
スイフリーたちの会話に思わずヒースは固まる。すぐにそれを指摘されたが、彼はあいまいに笑っただけだった。
「まあ何にせよ、雨がやむまで暇だし、探検しよう。屋敷のものを盗らなければ、問題ないだろう」
屋敷をざっと見て回る。
エントランスにある両側の扉はそれぞれが廊下に繋がっていた。屋敷の右手側には広間があって、大きなテーブルと暖炉、それから窓際にソファのセットがあった。どうやらこちらはパーティーなどをする部屋らしい。屋敷の端から端までを使ったかなりの大広間である。
左手側には、主の書斎と遊興室があった。書斎は本棚であったのだろう棚とテーブルがあるだけの殺風景なもので、何も他には無い。遊興室にはチェスやカード、ボードゲームなどが残されていた。が、目立つようなものは無い。
エントランスの絵にも問題はなく、普通の風景画だった。人物画のほうは「留守番伝画」だったが、変わったメッセージは残されていなかった。もちろん、壊していない。
一階の奥には、大広間のためにか台所と倉庫があったが、そこにも何も残されていなかった。階段の下に当たる部分に、質素な部屋があったのは使用人のためかもしれない。
二階には部屋が14あった。それぞれ、左右に5部屋、それから階段前からおくに向けてのスペースに4部屋。どれも窓付きで(階段前の2部屋のみ、天窓だったが)小さなテーブルと一人分のベッドが用意されていた。
確認を終えてエントランスに戻る。
「気に入らん」
アーチボルトは開口一番そういった。
「なぜですか? 丁度皆に一部屋ずつ当たって、いいじゃないですか」
イリーナの返事にアーチボルトは苦い顔をする。
「だから嫌なのだ。我々は14人、部屋も14。この謀ったような一致は何だ!」
「考えすぎですよー」
「放っておきなさいな、アーチーは考えるのが趣味なんだから」
「それで深みにはまるんですよ、お姉さん」
「どう思う、スイフリー」
フィリスやレジィナの声など聞かず、アーチボルトはエルフに声をかける。こういう考え事は、スイフリーとしかできないというのが彼の持論だ。
「……気分が悪い」
返答は予想外のものだった。
■今日はここまでー。
ようやくイベント突入ー。
そもそもコレは友人とのTRPGのために作ったシナリオだったのですが、諸々の事情により、プレイしないことにしたシナリオです。
なので、すごーく長い前置きでしたが、実は此処からがメインだったりします。
……今日、45話を友人に送りました。
いまだ終わる気配なしです。何話構成なのこれ。
「殺風景だねえ」
ひょこひょこと奥に向かって歩いていこうとするノリスの首根っこをガルガドが捕まえた。
「ちょっとは警戒心ってものを持て! このクソガキが!」
「えー、だって誰も居ないんでしょ? 大丈夫だよー」
「まだ誰も居らんとは確定しとらんわ!」
「……」
アノス側の冒険者たちの呆然としたような視線を浴びながら、ヒースは内心ため息をついた。コレまでは大きな戦闘が無かったからノリスの戦闘での性能はアピールできてないし、探索はしていないから何とかそっちの性能をばらさずに済んでいたが、遂にばれてしまった。
「アー、ま、なんだ。ノリスのお茶目は置いておくとして、これからどうする?」
「お茶目?」
エキューの冷たい声は、この際無視だ。
「実際問題、奥に屋敷関係者がいたり、先客が居たらいやだな」
「いないっしょ。雨で不確定だけど、足跡はなさそうだったし、鍵もかかってたし。第一、誰か居てオレらに敵対心がなかったら、こんだけ騒いでたら出てくるって」
「出てこないのは、居ないかこちらを警戒しているだけだと?」
パラサの答えにグイズノーが問いかける。パラサは頷いた。
「後はアンデットとか?」
「黄色い感じはしないぞ、今のところ」
「先客は全員石にされて広間とかに居たりして。居るのは臆病なメデューサ、屋敷の主、なーんて」
「よかったねえアーチー、大好きなファンタジーだにゅ」
「そういうのはホラーというのだ」
「というか、なぜこの会話で固まるのだヒース」
スイフリーたちの会話に思わずヒースは固まる。すぐにそれを指摘されたが、彼はあいまいに笑っただけだった。
「まあ何にせよ、雨がやむまで暇だし、探検しよう。屋敷のものを盗らなければ、問題ないだろう」
屋敷をざっと見て回る。
エントランスにある両側の扉はそれぞれが廊下に繋がっていた。屋敷の右手側には広間があって、大きなテーブルと暖炉、それから窓際にソファのセットがあった。どうやらこちらはパーティーなどをする部屋らしい。屋敷の端から端までを使ったかなりの大広間である。
左手側には、主の書斎と遊興室があった。書斎は本棚であったのだろう棚とテーブルがあるだけの殺風景なもので、何も他には無い。遊興室にはチェスやカード、ボードゲームなどが残されていた。が、目立つようなものは無い。
エントランスの絵にも問題はなく、普通の風景画だった。人物画のほうは「留守番伝画」だったが、変わったメッセージは残されていなかった。もちろん、壊していない。
一階の奥には、大広間のためにか台所と倉庫があったが、そこにも何も残されていなかった。階段の下に当たる部分に、質素な部屋があったのは使用人のためかもしれない。
二階には部屋が14あった。それぞれ、左右に5部屋、それから階段前からおくに向けてのスペースに4部屋。どれも窓付きで(階段前の2部屋のみ、天窓だったが)小さなテーブルと一人分のベッドが用意されていた。
確認を終えてエントランスに戻る。
「気に入らん」
アーチボルトは開口一番そういった。
「なぜですか? 丁度皆に一部屋ずつ当たって、いいじゃないですか」
イリーナの返事にアーチボルトは苦い顔をする。
「だから嫌なのだ。我々は14人、部屋も14。この謀ったような一致は何だ!」
「考えすぎですよー」
「放っておきなさいな、アーチーは考えるのが趣味なんだから」
「それで深みにはまるんですよ、お姉さん」
「どう思う、スイフリー」
フィリスやレジィナの声など聞かず、アーチボルトはエルフに声をかける。こういう考え事は、スイフリーとしかできないというのが彼の持論だ。
「……気分が悪い」
返答は予想外のものだった。
■今日はここまでー。
ようやくイベント突入ー。
そもそもコレは友人とのTRPGのために作ったシナリオだったのですが、諸々の事情により、プレイしないことにしたシナリオです。
なので、すごーく長い前置きでしたが、実は此処からがメインだったりします。
……今日、45話を友人に送りました。
いまだ終わる気配なしです。何話構成なのこれ。
道はあいかわらず広さは一定で、鬱蒼とした森の中を進んでいく。両側の地面は木の根や草でテントが張れそうな場所は現れない。マントが水を吸って重くなり始めたころ、左手側に屋敷が見えてきた。
「あれかな?」
先頭を行くノリスが振り返る。指差す方向には確かに石造りの立派な建物があった。建物は広い敷地を持っており、周囲を石造りの立派な塀が囲んでいる。随分使われていないのか、庭には草が生えている。屋敷自体も大きく、二階建ての石造りでがっしりとしている。少々古めかしいが、立派な建物だった。
「これは軒先だけじゃなく屋敷ごと借りても文句でなさそうだな」
ヒースがあからさまにがっくりしたような声で呟く。
「別荘だよ? 最初からヒトが居るなんて期待しちゃ駄目だよ」
エキューが呆れた声をあげる。ヒースは聞こえないふりをした。
「パラサ、行ってこい」
スイフリーが屋敷を指差すと、パラサは苦笑してから走り出す。あっという間に屋敷にたどり着き、ひょいひょいと壁に張り付くようにして窓から中を覗き込む。数分そうしていて、すぐに戻ってきた。
「誰もいなさそうにゅ」
「そうか」
アーチボルトは返事をすると、屋敷に歩き出す。全員それに続いた。玄関に着いたと同時にパラサがしゃがみこむ。一呼吸する間に彼は立ち上がると、「開いたにゅ」と笑いながらドアを開ける。ガルガドとヒースが心底うらやましそうな顔をしたが、パラサは首をかしげただけだった。
「鍵はかかっていたのか、いなかったのか?」
スイフリーがパラサを見る。
「あんなのかかってないのと同じにゅ」
「茶化してないで答えてくれ。対応が変わってくる」
「かかってたよ。普通の鍵ね。罠はなし」
「まあ、玄関に罠をかけるような物好きはあんまりいないだろう」
スイフリーは苦笑する。開け放たれたドアからは、広いエントランスが見えている。
「どうします? エントランスだけお借りしますか? それとも屋敷内を探索させていただいて、いいお部屋をお借りしますか?」
グイズノーが相変わらずの真意の分からない笑顔で問いかける。
「庭の手入れ具合からいって、最近使われているとは思えないな。同時に、これから直近に使われることもなさそうだ。遠慮なく部屋を貸してもらおう。ヒトが来たら事情を説明して、賃貸料でも払えば丸く収まるだろう」
スイフリーの返答で全員が中に入る。多少埃っぽいが、悪くない建物だった。
「いいんでしょうか、本当に」
クレアが眉を寄せると、スイフリーは答えた。
「大丈夫だ」
「そうでしょうか」
「宿が無いとか、雨に降り込められて困っている冒険者が城に来た場合、お前はどうする」
「よほどの事情が無い限り、お泊めします」
「そうだろう? 我々は現在雨に降り込められて困っている。もしココに屋敷の主が現れた場合、誠心誠意説明すれば一泊くらい許可されるだろう。主によほど後ろ暗いことでもないかぎりな」
「……そう、ですね」
「無断であることにお前はひっかかるのだろうが、真に困っているのだから仕方あるまい。それとも、雨の中を進めというほど、お前の神は薄情なのか?」
「……わかりました」
「あああ~姉ちゃんがはとこの毒に~」
「黙れ」
スイフリーは頭を抱えるパラサに一発蹴りを食らわせると、屋敷の中に目を向けた。
「さあ、これからどうする?」
■ここのところ、世界陸上を見てその後うっかりねてしまっているので、アップをサボってしまっております。
いいや、へんな時間でも。
ということでアップアップ。
気付けば30日です。
有言不実行な「毎日アップ」も明日までです。
……泡ぽこは本日友人に44回を送りました。
まだ終わりません。大丈夫かコレ。
「あれかな?」
先頭を行くノリスが振り返る。指差す方向には確かに石造りの立派な建物があった。建物は広い敷地を持っており、周囲を石造りの立派な塀が囲んでいる。随分使われていないのか、庭には草が生えている。屋敷自体も大きく、二階建ての石造りでがっしりとしている。少々古めかしいが、立派な建物だった。
「これは軒先だけじゃなく屋敷ごと借りても文句でなさそうだな」
ヒースがあからさまにがっくりしたような声で呟く。
「別荘だよ? 最初からヒトが居るなんて期待しちゃ駄目だよ」
エキューが呆れた声をあげる。ヒースは聞こえないふりをした。
「パラサ、行ってこい」
スイフリーが屋敷を指差すと、パラサは苦笑してから走り出す。あっという間に屋敷にたどり着き、ひょいひょいと壁に張り付くようにして窓から中を覗き込む。数分そうしていて、すぐに戻ってきた。
「誰もいなさそうにゅ」
「そうか」
アーチボルトは返事をすると、屋敷に歩き出す。全員それに続いた。玄関に着いたと同時にパラサがしゃがみこむ。一呼吸する間に彼は立ち上がると、「開いたにゅ」と笑いながらドアを開ける。ガルガドとヒースが心底うらやましそうな顔をしたが、パラサは首をかしげただけだった。
「鍵はかかっていたのか、いなかったのか?」
スイフリーがパラサを見る。
「あんなのかかってないのと同じにゅ」
「茶化してないで答えてくれ。対応が変わってくる」
「かかってたよ。普通の鍵ね。罠はなし」
「まあ、玄関に罠をかけるような物好きはあんまりいないだろう」
スイフリーは苦笑する。開け放たれたドアからは、広いエントランスが見えている。
「どうします? エントランスだけお借りしますか? それとも屋敷内を探索させていただいて、いいお部屋をお借りしますか?」
グイズノーが相変わらずの真意の分からない笑顔で問いかける。
「庭の手入れ具合からいって、最近使われているとは思えないな。同時に、これから直近に使われることもなさそうだ。遠慮なく部屋を貸してもらおう。ヒトが来たら事情を説明して、賃貸料でも払えば丸く収まるだろう」
スイフリーの返答で全員が中に入る。多少埃っぽいが、悪くない建物だった。
「いいんでしょうか、本当に」
クレアが眉を寄せると、スイフリーは答えた。
「大丈夫だ」
「そうでしょうか」
「宿が無いとか、雨に降り込められて困っている冒険者が城に来た場合、お前はどうする」
「よほどの事情が無い限り、お泊めします」
「そうだろう? 我々は現在雨に降り込められて困っている。もしココに屋敷の主が現れた場合、誠心誠意説明すれば一泊くらい許可されるだろう。主によほど後ろ暗いことでもないかぎりな」
「……そう、ですね」
「無断であることにお前はひっかかるのだろうが、真に困っているのだから仕方あるまい。それとも、雨の中を進めというほど、お前の神は薄情なのか?」
「……わかりました」
「あああ~姉ちゃんがはとこの毒に~」
「黙れ」
スイフリーは頭を抱えるパラサに一発蹴りを食らわせると、屋敷の中に目を向けた。
「さあ、これからどうする?」
■ここのところ、世界陸上を見てその後うっかりねてしまっているので、アップをサボってしまっております。
いいや、へんな時間でも。
ということでアップアップ。
気付けば30日です。
有言不実行な「毎日アップ」も明日までです。
……泡ぽこは本日友人に44回を送りました。
まだ終わりません。大丈夫かコレ。
薄暗い脇道を進む。馬車が通れるだけあって、道幅は狭くは無いが、やはり最近は利用されていないのか、あまり歩きやすい道ではなかった。何かあるかもしれないということで、いつも以上警戒を怠らず歩く。時折ゴブリンなどは見かけるが、たいした事件も無く道は続いている。
「何か、ちょっと拍子抜けだな」
「邪悪もゴブリンだけです」
ヒースとイリーナの会話も暢気な色合いを強めてきた。そのくらい何も無かった。
「はとこ、どうしたにゅ?」
空を見上げたスイフリーに、パラサがいち早く気がついて声をかける。
「ウンディーネちゃんの力が強まった。雨が来るかもしれん」
呟きに、精霊使いたちはいっせいに頷く。空気に注意を向けてみれば、確かに空気は微妙に水分を含み湿り気を増してきていた。
「この狭い道で雨って嫌だなあ」
レジィナが呟く。
「そういうの言うと、大体本当に雨って降り出すよね」
ノリスがはははと能天気に笑う。
その声に、一気に全員がノリスをぎろりと見たが、本人が一番わかっていないのか、きょとんとした表情をした。ガルガドが大きくため息をつく。
木々の間から見える空は、少しずつ暗くなり始めていた。
何も無いところまで雨が降らなければいい、という全員の思いとは裏腹に、程なく雨が降り始めた。最初からかなりの勢いで降り始め、雨足は強くなる一方である。
「雨宿りとかできる場所探そうよ」
「都合よくあるわけないよ! テントを張ったほうが早いんじゃない?」
ノリスの言葉にエキューが突っ込みつつ提案をする。
「テントは有効だが、今は場所が悪い」
ヒースがすぐさま返答する。彼の指摘どおり、地面はでこぼことして平坦ではない。テントは張りにくいだろう。
「とりあえず、もう少し進んでみましょう。この道は貴族の別荘へ続いているんでしょう? 軒先くらいは貸してくれるかもしれません」
イリーナが握りこぶしで言う。
「貸してくれるかなあ?」
パラサが笑う。
「そのときは、猛女様の威光とか、騎士様の威光とか、そういうのを使っていきましょう」
「ロマールでは効き目無いぞ、騎士様の威光は。自分で言うのもなんだが」
アーチボルトが苦い顔をする。
「ともかく、もう少し進もう。どのみちココではテントが張れんのだ。貴族の別荘がどの程度遠いものかわからんが、別荘が見つかればそちらを、見つからなければテントを使用するということで」
すぐに思い直したのか、アーチボルトは表情をきりりと戻して宣言した。一行は反対する理由も無く、一本道を再び歩き始めた。
■うはははは、ご都合主義!
これからドンドンご都合主義になっていくのだから、このくらいで驚いていてはいけません(苦笑)
「何か、ちょっと拍子抜けだな」
「邪悪もゴブリンだけです」
ヒースとイリーナの会話も暢気な色合いを強めてきた。そのくらい何も無かった。
「はとこ、どうしたにゅ?」
空を見上げたスイフリーに、パラサがいち早く気がついて声をかける。
「ウンディーネちゃんの力が強まった。雨が来るかもしれん」
呟きに、精霊使いたちはいっせいに頷く。空気に注意を向けてみれば、確かに空気は微妙に水分を含み湿り気を増してきていた。
「この狭い道で雨って嫌だなあ」
レジィナが呟く。
「そういうの言うと、大体本当に雨って降り出すよね」
ノリスがはははと能天気に笑う。
その声に、一気に全員がノリスをぎろりと見たが、本人が一番わかっていないのか、きょとんとした表情をした。ガルガドが大きくため息をつく。
木々の間から見える空は、少しずつ暗くなり始めていた。
何も無いところまで雨が降らなければいい、という全員の思いとは裏腹に、程なく雨が降り始めた。最初からかなりの勢いで降り始め、雨足は強くなる一方である。
「雨宿りとかできる場所探そうよ」
「都合よくあるわけないよ! テントを張ったほうが早いんじゃない?」
ノリスの言葉にエキューが突っ込みつつ提案をする。
「テントは有効だが、今は場所が悪い」
ヒースがすぐさま返答する。彼の指摘どおり、地面はでこぼことして平坦ではない。テントは張りにくいだろう。
「とりあえず、もう少し進んでみましょう。この道は貴族の別荘へ続いているんでしょう? 軒先くらいは貸してくれるかもしれません」
イリーナが握りこぶしで言う。
「貸してくれるかなあ?」
パラサが笑う。
「そのときは、猛女様の威光とか、騎士様の威光とか、そういうのを使っていきましょう」
「ロマールでは効き目無いぞ、騎士様の威光は。自分で言うのもなんだが」
アーチボルトが苦い顔をする。
「ともかく、もう少し進もう。どのみちココではテントが張れんのだ。貴族の別荘がどの程度遠いものかわからんが、別荘が見つかればそちらを、見つからなければテントを使用するということで」
すぐに思い直したのか、アーチボルトは表情をきりりと戻して宣言した。一行は反対する理由も無く、一本道を再び歩き始めた。
■うはははは、ご都合主義!
これからドンドンご都合主義になっていくのだから、このくらいで驚いていてはいけません(苦笑)
「あ、精霊魔法でトンネル掘ればいいんじゃない? コレなら戦力ばらばらなんてことないし、危なくないんじゃない?」
ノリスの言葉に、スイフリーは苦い顔をする。
「ソレも考えた。がけ崩れがたいした規模でなければ使える策だ。が、がけ崩れがたいした規模でなければ、さっきの冒険者たちは乗り越えるなりなんなりしただろう。そうしなかったということは、かなりの規模と考えていい。トンネルは確かに有効な策ではあるが、この人数が無事に通り抜けられるだけの大きさと時間拡大を考えると、赤字だ。コレは試したことがあるから間違いない」
「あの時は200メートルくらい進むのに60万かかったにゅ」
「私の落下制御もはいってるわよ、その値段」
「コレから何があるか分からない以上、魔晶石の無駄使いは避けたい。……それにトンネルだと通っている最中、後ろから襲われたら逃げ場はないぞ。故に却下だ」
スイフリーの返答に、マウナとイリーナがお互いの引きつった顔を見合わせる。
「……60万って、単位はガメルだよね?」
「っていうか、できないわけじゃないんだ……」
「そんなでっかい穴掘って、何したの?」
分かっているのかいないのか、ノリスが不思議そうな顔をしてスイフリーを見た。
「……秘密だ」
「えー、教えてよー」
「言えない。言ったらわたしたちの首が飛ぶ。これは比喩じゃないぞ」
ノリスはまだぶーぶー文句を言っているが、スイフリーたちは軽く聞き流して最終的な話し合いを進める。
「結局、脇道を行くか」
「どっちに行ってもリスクはある。脇道のほうが多少偶発的なリスクが低いだろうなあ、というくらいの差だ」
「じゃ、脇道行くか」
色々考えた割には、最終的な決断はあっさりとしたもので、アーチボルト・スイフリー・ヒースの三人の間で決定され、実行に移ることになった。
教えられた脇道は、街道を少し戻ったところにあった。簡単に見つけられる脇道だったから、一度通ったときにも見た気がする。ただ、通る必要が無かったからあまり記憶に無いだけだろう。道は馬車が通るのだろう、轍のあとがある。が、使われなくなって久しいのか、草が生い茂りあまり歩きやすい雰囲気ではない。ただ、木がキレイに切られているためにコレが道なのだろう、と判断できる程度の話だ。辺りはうっそうとした森で、少々薄暗い。
「いかにも何かありそう」
フィリスが苦笑する。
「相手はあのお方だぞ? 何かあって当然だろう」
「私たちが旅してるの、知らないかもしれないよ?」
嬉しそうなアーチボルトにたいし、レジィナはため息をつく。
「まあ、気にしていても仕方が無い。ちゃっちゃと行くぞ」
■昨日はDQコンサートにいっておりまして、お休みしました。
■前回の分を書いたときに、友人に「トンネルはー?」と突っ込みを入れられたので、とりあえずいいわけめいたことを書いてみた。
「トンネル」を忘れていたなんて、秘密だ。
バブリーズリターンでオランのお城にトンネルで忍び込んだとき、確か60万といっていたので、その辺りを使ってみたよ。ちなみに200メートルという表記はネットで発見。
一応発言者は清松さんだから、公式ってことで言い張る。
ここからもご都合主義で進んでいくよ。
ノリスの言葉に、スイフリーは苦い顔をする。
「ソレも考えた。がけ崩れがたいした規模でなければ使える策だ。が、がけ崩れがたいした規模でなければ、さっきの冒険者たちは乗り越えるなりなんなりしただろう。そうしなかったということは、かなりの規模と考えていい。トンネルは確かに有効な策ではあるが、この人数が無事に通り抜けられるだけの大きさと時間拡大を考えると、赤字だ。コレは試したことがあるから間違いない」
「あの時は200メートルくらい進むのに60万かかったにゅ」
「私の落下制御もはいってるわよ、その値段」
「コレから何があるか分からない以上、魔晶石の無駄使いは避けたい。……それにトンネルだと通っている最中、後ろから襲われたら逃げ場はないぞ。故に却下だ」
スイフリーの返答に、マウナとイリーナがお互いの引きつった顔を見合わせる。
「……60万って、単位はガメルだよね?」
「っていうか、できないわけじゃないんだ……」
「そんなでっかい穴掘って、何したの?」
分かっているのかいないのか、ノリスが不思議そうな顔をしてスイフリーを見た。
「……秘密だ」
「えー、教えてよー」
「言えない。言ったらわたしたちの首が飛ぶ。これは比喩じゃないぞ」
ノリスはまだぶーぶー文句を言っているが、スイフリーたちは軽く聞き流して最終的な話し合いを進める。
「結局、脇道を行くか」
「どっちに行ってもリスクはある。脇道のほうが多少偶発的なリスクが低いだろうなあ、というくらいの差だ」
「じゃ、脇道行くか」
色々考えた割には、最終的な決断はあっさりとしたもので、アーチボルト・スイフリー・ヒースの三人の間で決定され、実行に移ることになった。
教えられた脇道は、街道を少し戻ったところにあった。簡単に見つけられる脇道だったから、一度通ったときにも見た気がする。ただ、通る必要が無かったからあまり記憶に無いだけだろう。道は馬車が通るのだろう、轍のあとがある。が、使われなくなって久しいのか、草が生い茂りあまり歩きやすい雰囲気ではない。ただ、木がキレイに切られているためにコレが道なのだろう、と判断できる程度の話だ。辺りはうっそうとした森で、少々薄暗い。
「いかにも何かありそう」
フィリスが苦笑する。
「相手はあのお方だぞ? 何かあって当然だろう」
「私たちが旅してるの、知らないかもしれないよ?」
嬉しそうなアーチボルトにたいし、レジィナはため息をつく。
「まあ、気にしていても仕方が無い。ちゃっちゃと行くぞ」
■昨日はDQコンサートにいっておりまして、お休みしました。
■前回の分を書いたときに、友人に「トンネルはー?」と突っ込みを入れられたので、とりあえずいいわけめいたことを書いてみた。
「トンネル」を忘れていたなんて、秘密だ。
バブリーズリターンでオランのお城にトンネルで忍び込んだとき、確か60万といっていたので、その辺りを使ってみたよ。ちなみに200メートルという表記はネットで発見。
一応発言者は清松さんだから、公式ってことで言い張る。
ここからもご都合主義で進んでいくよ。